松尾二丁目中央市場
那覇のマチグヮー巡りはまだまだ終わらない。第一牧志公設市場の裏側あたりにも地元民ばかりが密集しまくる市場がまだまだ続いている。
どこかしら戦後のドサクサ臭が強く残る「松尾二丁目中央市場」。かなりバラック然とした屋根の下に古い食料品店や惣菜屋などが密集している、マチグヮーDEEPゾーンの入り口なのである。
観光客が集まる第一牧志公設市場が防波堤となっていて、その先の風景は圧倒的に地元民のテリトリーとなっているのだ。
今まで以上に狭苦しい路地にひしめく食料品店の数々。果物屋があるかと思ったら化粧品屋があったり、雰囲気はまるで大阪の鶴橋商店街にクリソツである。在日コリアン系の店は全然無いけどな。
「かりゆし通り」と名前がついた惣菜屋が建ち並ぶ市場の光景。買い物客も店員さんも中高年が多いですね。共働き世帯の多い沖縄では手間暇掛けて自炊するよりもこういう惣菜屋で非常に安上がりにおかずを買って食べる習慣が根強い。
奥の方に入ると所々寂れて潰れた店がそのままになっていたりもするが、ひょんな所に沖縄そば屋が何軒も並んでいる。一杯300円とはこれまたお安い沖縄そばですね。
ごちゃごちゃした路地の隙間にも地元民御用達の沖縄料理屋が隠れている。沖縄そば350円、ソーミンチャンプルー450円と、どの店も安い安い。
沖縄で惣菜屋といったら沖縄庶民のソウルフード「天ぷら」も忘れてはならない。同じ天ぷらでも内地のものと沖縄のものでは全く違う。歴史的に本土以上の凄まじい貧困を経験してきた庶民の知恵が生んだ料理だ。
衣はぼってり分厚く塩味を効かせていて少しでも腹が膨れるように工夫されている。そして1個40円か50円で食えるので、非常にリーズナブル。沖縄のてんぷらは肉屋のコロッケのような立ち位置にある。
戦後の沖縄では食用油が入手しづらく、代用品としてエンジンオイルで揚げた「モービル天ぷら」なる食い物まであったと言われる。油が消化できず酷い下痢になったり死人が出たりと冗談にならないけど古い世代にとっては笑い話になっているそうだ。
やたらバラック屋台な感じの建物はてんぷら屋の跡だった。建物老朽化のため移転しました、だって。
市場の奥は一部シャッター通りになっている箇所もあってどことなく寂しい感じもする。マチグヮーの活気もある意味観光客頼みとなっている面もあるので、この先どうなっていくのか心配ではある。
ボロボロに破れて廃墟っぽさを増している松尾二丁目中央市場の端っこのアーケード。
その正面は浮島通りに通じているが、角に建つ2階建て店舗の廃墟が凄まじく古い木造建築で思わず目を見張ってしまった。かすれて読みづらい看板を見ると「木村屋の寿司弁当」と書かれている。
浮島通りに出ると古い商店の残骸ばかりが目立ち商店街としての体をもはや成していない寂れっぷりを見せている。道沿いに進むと国際通りの松尾交差点付近に出て、逆に行くと怪しい飲み屋街が連なる神里原通りだ。
「那覇のマチグヮー」端から端まで
- 市場中央通り
- 平和通り
- 牧志公設市場周辺
- 牧志公設市場・食肉編
- 牧志公設市場・鮮魚編
- 松尾二丁目中央市場
- ガーブ川の水上店舗
- 新天地市場・太平通り
- サンライズなは商店街
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