有名観光地ですがやっぱりDEEPでした「那覇のマチグヮー」端から端まで

那覇市

ガーブ川の水上店舗

再び睦橋商店街の辺りまで戻ってきた。ガーブ川に沿って形成された戦後の闇市から成り立った商店街はその形を残したまま今日に至る。

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ガーブ川が暗渠化された上に作られた商店街、その暗渠を辿って商店街を南北に歩いてみる事にする。市場中央通りや平和通りの間の細い抜け道は那覇のマチグヮーの中でもコアな光景を残している。

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国際通りから睦橋商店街に入ってしばらく道なりに進むと「パラソル通り」なる一画に出る。パラソルのついた休憩用椅子とテーブルが広場の真ん中に据え付けられているからパラソル通り。そのまんまやんけ。

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パラソル通りにある店舗の壁には沖縄らしく、那覇市の観光ポスターがベタベタと貼りつけられていた。

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沖縄人のシーサー好きは商店街のあちこちで見られる。路上喫煙は禁シーサー。テーゲー気質でなんくるないさーな土地柄の沖縄でも路上喫煙禁止条例が施行されたそうでタバコ吸いにはますます世知辛い。

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第一牧志公設市場隣、水上店舗の一角を成すガーブ川中央商店街と牧志公設市場雑貨部の間だ。地元のおばあが買い物がてら休憩しているだけののほほんとした空間。古い商店ばかりで、おじいおばあ向けの衣類を扱う店が多い。

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道なりに行くと水上店舗の建物脇の商店の軒下をずんずん進んでいく形になるわけだが、こちらはおばあ御用達の下着ショップが勢揃いする、やや気まずい感じのランジェリーストリートだ。

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この商店街の真下を流れるガーブ川(我部川)は那覇市長田付近から市街地中心部を通って久茂地川と合流する短く淀んだ川である。生活排水が大量流入して普段から汚いだけでなく大雨の時には鉄砲水になったり、戦後の闇市時代には何度も市場が浸水してどえらい事になったらしく、今のように暗渠化されたのだ。

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そんなガーブ川の暗渠が影響してか水上店舗の辺りの商店街の路地は非常にややこしく入り組んでいる。Y字路の右側がガーブ川の暗渠である。微妙に段差がついているのが暗渠の印。

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ガーブ川の水上店舗も建物が老朽化しているという理由で建物を撤去してショッピングモールに作り替える計画もあるらしい(→詳細)が、戦後の闇市上がりという事もあって土地の権利関係が複雑で計画が進んでいるかどうかは不透明だ。

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水上店舗からY字路で分岐する側の路地は「えびす通り」という名前が付いている。簡素な木造でトタン葺きのアーケードがかなり渋い。

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えびす通りに沿ってまだまだ古い衣料品店などがぎっしり軒を連ねている。あんまり栄えているような感じにも見えないが時代の流れだろうか。夕方になったら続々と店を閉め始めるので夜がやたら早いのだ。

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そんな中で居酒屋がちらほらと建っている。ここは沖縄さぁ~。言われんでも分かってるっちゅうねん。

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おめでたい恵比寿神にあやかった古い商店街もひたすら鄙びた景色が広がっているだけで、既に昭和枯れすすきの世界である。買い物客の姿もまばらだ。

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えびす通りを抜けるとサンライズなは商店街のアーケードに出てくる。

この商店街もたいがい寂れまくっているのだが、付近は安宿街になっていて1泊千円台で泊まれるドミトリーやらゲストハウスやらが各所にあって旅行者の姿が多い。

本土復帰前の那覇ではファッションビルとして栄えていたらしい「丸国マーケット」の上にも「リトルアジア」というドミトリーが一軒。手書きの看板がチープで素敵。さしずめ那覇の西成といった所か。

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