牧志公設市場・食肉編
ベタな観光地化しているとは言え、那覇のマチグヮーを代表する庶民の台所「第一牧志公設市場」を訪れない訳にはいかないだろう。
戦後の闇市に始まる那覇のマチグヮーの歴史は、肉屋に魚屋、八百屋にかまぼこ屋、惣菜屋などが約200店舗ぎっしり入居したこの第一牧志公設市場の中に凝縮されている。
牧志公設市場は戦後の那覇において中心的な食品市場として賑わってきたが、本土復帰後に内地資本のスーパーなどが進出してきて一時期は寂れていたらしい。実は近くに第二牧志公設市場というのもあったのだが、2001年3月に廃止されてしまっている。
現在の第一牧志公設市場の建物は1972年に建て替えられた2階建て。市場の店舗は1階部分に集中していて、エスカレーターで接続された2階は全て観光客向きな食堂となっている。地元民の客が高齢化や郊外へのシフトで遠のく中、牧志公設市場は観光客を受け入れる事で存続を図り続けてきた。
それほど広くはない敷地に約200店舗がひしめいているので、密集具合がたまらない。入居する店舗全てが個人経営の業者である。
肉屋や魚屋に紛れていささか存在感が薄い感じがしないでもない蒲鉾屋。沖縄の蒲鉾屋はこれまた独特である。蒸さずに油で揚げてあるのが特徴。紅白かまぼこは沖縄そばのトッピングでは常連メンバーだ。
でもやっぱり最初に目が行くのが肉屋である。豚肉食の文化が旺盛な沖縄だけにどの肉屋も豚の足と面皮(チラガー)が無造作に置かれているのはデフォ。
至る所に豚の頭がそのまんま置かれているのは当たり前の光景。沖縄の食肉文化は内地のように肉食をタブーとする習慣が無かった為に昔から旺盛だったが、とりわけ豚肉食の文化は中華圏の影響が強い。
豚の頭とか面皮とかもあるけど「中身」と呼ばれる豚の内臓もてんこもり。内地だと豚ホルモンは在日朝鮮人や被差別民しか食わず、戦後になってホルモン焼きとして出されるようになったが、沖縄ではずっと昔から食べられていたものだ。
豚肉もよく食べるけど、やっぱり沖縄と言えば山羊肉。豚と同じようなノリで山羊の足が店先にポーンと置かれていたりするので笑える。こっちじゃヒージャーと呼ばれてますね。刺身にしたり汁にしたり調理法は様々。
そろそろ豚の頭も見慣れてきたが、一軒だけ豚さんがピースサインしている変な店があるので思わず立ち止まってしまった。考えりゃすげーグロ画像な訳だが、豚さんが心なしか微笑んでいるようにも見えるのでちょっと怖い。
特に観光客慣れしまくったご主人がやたら話しかけてくる「美里精肉店」は独特の店構え。芸能人のサイン色紙とかまであって露出度高いです。フレンドリーなご主人に根負けして、土産物を余分に買ってしまいました。
「那覇のマチグヮー」端から端まで
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