富士山麓の街「富士吉田」月江寺界隈の街並みが激しく昭和過ぎて悶絶した

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西裏通りとミリオン通り、濃密な昭和の盛り場

富士吉田市の旧市街地・下吉田には「西裏通り」という古い歓楽街が存在する。この界隈がすこぶる昭和レトロ感満載で路地裏盛り場赤線跡あたりのマニア諸氏がこぞって大絶賛していらっしゃるので我々としても是非来なければならない場所だと思っていた。それは富士急行線月江寺駅から徒歩5分くらいの場所にあった。今でも西裏通りと書かれたアーチ看板が残っている。早速見て回る事にしよう。

西裏通りへ入るとまず眼に入るのはとことんにまで錆色掛かったトタン壁を持つ商店の建物群だ。ここいらの風景はかつて富士吉田が繊維産業で栄えた昭和30年代の盛り場の街並みがそのまま残っているそうで、かなり貴重な空間である。

結構空き地も目立っていて歯抜け状態なのだが、それでも結構な数の商店が取り壊される事もなく立ち並ぶ。壁や屋根にトタンが多用されているのは寒冷地仕様だからか?北海道の古い盛り場を見ているような気になる。

西裏通りは商店街としてはとっくに寂れてしまっているので商店は軒並み廃業したままの場所が多い。飲食店以外は殆ど壊滅状態と言える状況。

元は何屋だったのか分かりかねるがそれにしても悲惨な放置っぷりを晒しているかつての商店跡廃墟。

さらに商店の角から路地が伸びている…トタン家屋の先から小料理屋の看板が顔を覗かせている。味の店新田川。

西裏通りを進んでいくと今度は潰れたラーメン屋の廃墟。大昔から全国チェーン展開しているどさん子ラーメンっぽい。地方のロードサイドに潰れたラーメン屋があると思ったら大抵このどさん子ラーメンなのだが、街中でこの色褪せたアイヌ人と熊さんのステッカーを見ると何だか新鮮。

西裏通りはそのまま月江寺門前の大門通りを交差する。振り返るとレトロな商店街の建物の隙間から富士山の勇姿が眺められる。やっぱり富士山の存在感は半端ない。そりゃ拝みたくもなりますわな。

「買い物で ふと見上げれば 女富士 八代亜紀」…なぜここで歌手の八代亜紀なのか疑問に思ったのだが、どうも以前テレビ番組のロケで訪れた時に一句詠んだらしい。それも「田舎に泊まろう」のロケらしいんですが。女富士、男富士というのは静岡県側、山梨県側から見た富士山を意味するそうだがどっちがどっちなのか紛らわしい。まあいいけど。

この西裏通りの途中に「ミリオン通り」という名前の何だか胡散臭そうな路地裏横丁が紛れ込んでいる。もっともらしくアーチ看板が掲げられているのですぐに分かる。

そこは西裏通りとリバーサイド通りの間に跨る呑んだくれ横丁である。それにしてもミリオン通りの「ミリオン」ってどこから来てるんだ。百万ドルの夜景、という訳でもなさそうだし…

ミリオネアな感じは皆無で貧乏臭そうなしょぼくれた酒場ばかりが立ち並ぶミリオン通り。その名の由来は襤褸を纏えど心は錦、でしょうか。怪しい韓国ビデオ屋があってその前で親子連れが遊んではります。

そんな国際化の匂いすら漂う路地裏を道なりに進むとさっきのリバーサイド通りに戻る事になる。片側が空き地になって見晴らし良くなってますね。

この路地には韓国ビデオ屋だけでなくネパール料理屋もあるらしい。山梨のこんな場末の盛り場でもインターナショナルな地域社会が築かれているようであります。

同じくミリオン通りの渋いスナック街。「あおもり」とだけ書かれたスナックの看板がある。青森からの移住者でしょうか。古今東西盛り場という土地柄は様々な人種の坩堝となるわけだ。

そんな西裏通り界隈のゴミ捨て場には韓国語のゴミ分別表ポスターと同様にハングルで注意書きが書かれていたのであった。富士吉田のプチ新大久保ですかここは。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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