【笛吹市】ぶどう畑から湧き出した歓楽温泉地「石和温泉」を歩く

東京・新宿から特急かいじ号で僅か1時間30分、山梨県笛吹市の石和(いさわ)温泉は首都圏にも程近く通年的に多くの観光客が訪れる。温泉街としての歴史は比較的新しく戦後の昭和36(1961)年で、ぶどう畑の中から突然温泉が湧き出した事から始まる。

石和温泉は首都圏近郊における温泉街の中でもとりわけ歓楽的要素が強いアンダーグラウンド風俗温泉地としての知名度が高い。それは官憲の監視の目が鋭い東京から少し離れた位置関係にある事と全く無関係ではなかろう。伊香保、伊豆長岡、戸倉上山田などと肩を並べる存在である。

まず訪れたのが石和温泉のメインストリートの一つ「さくら温泉通り」と名付けられた温泉街の東西を貫く通り。道の中央を流れる近津川に沿って桜並木が植えられていてその両側を温泉旅館や飲食店街が並んでいる。

この石和温泉だけでも温泉旅館は大小併せて120軒あり熱海に匹敵する程だと聞いていたが実際訪れると熱海温泉のような密集具合ではなく平地の広範囲に散らばっている。甲府盆地の底に広がるぶどう畑の中に旅館がポツポツといった感じの街並みが石和温泉の特徴である。

居酒屋と果樹園の看板が並んでるだなんてさすが山梨クオリティ。ちなみに石和温泉の東側は春日居温泉という厳密には別の温泉街だが、位置関係的には例えるなら戸倉温泉と上山田温泉くらいの違いしかなく、ほぼ同一の温泉街と見ても良い。平成の大合併で笛吹市にまとまっているが以前は石和町と春日居町に別れていたのだ。

結構空き地も目立っていたりするのも気になった。まあ温泉街にはありがちな展開ですがね。でも石和温泉は昼より夜の方が断然凄いのだ。

石和温泉にあるのはこうした前時代的な大規模ホテルがメイン。おしなべて団体客受け入れを前提としていて個人で日帰り入浴出来る場所は限られる。温泉入ってコンパニオンと遊んでムフフというお父さんのお楽しみが第一目的なので致し方ない。

近津川沿いにも怪しい長屋飲食街がちらほら見られる。この石和温泉でも近年はファミリー向けに足湯なども整備されているが、こうして見ている限り無邪気な家族連れがキャッキャしているような雰囲気ではない。女子供はほったらかし温泉にでも行けってこった。

同じく飲み屋街となった一角だがよーく見ると建物の壁に「石和ロマンの館」と書かれているのが見える。

今は亡き石和秘宝館・石和ロマンの館はこの場所にあったのだ。飲み屋街の壁にかつての秘宝館の痕跡が見られるとは思いもしなかった。ちょっと感動。既に1995年に閉館しているのでもうお亡くなりになられてからおおよそ20年近い事になる。

そしてこれが現在の石和ロマンの館跡地。飲食街になっているものの何だか寂れっぷり全開。隣はフツーにマンションになってるし…昭和は遠くなりにけり。

正面の建物にはまだ看板が残っていた。「世界の宝石・珍石 石和水晶 見学無料」…きっと秘宝館とセットで観光コースに組み込まれていたのかも知れん。

胡散臭さ爆発のバニーガール勢揃いなキャバクラの看板がド派手に立っていました。そういえば石和温泉にはここ「ロマンの館」だけではなく「元祖国際秘宝館石和館」もあったがそこも潰れて現在はドンキホーテ石和店に改装されている。

ここの飲食街はどうやら「ニュー文化街」という名前がついているらしい。黒ずんで熱で変形したか看板が古さを感じさせる。割烹、カラオケパブ、スナックと一通り揃ってるみたい。

気になる石和ロマンの館の展示物の行方だが、一部は伊東市の伊豆高原に出来た「まぼろし博覧会(データハウス社長が経営する怪しい少年少女博物館の2号館)」で一部復活展示されている。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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