東北新幹線が通って東京から近くなった本州最北端の大都会「青森駅」の周辺を観光する

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朝飯を掻き込もうと、青森駅近くにある古川市場に立ち寄った。

戦後の闇市の名残りである市場が広がっていた青森駅前。その殆どが再開発ビル「アウガ」の地下などにまとめられてはいるが、その南側には今もなお昔からの市場が残る一画がある。

昔から地元民が集まる、所謂「青森の台所」だったと言われる古川市場界隈だが、近年は郊外型店舗に押されているらしく、お世辞にも繁盛しているという雰囲気ではない。

古川市場というのは、青森魚菜センター、青森公益魚菜市場、青森生鮮食品センター(青食センター)の3つの建物の総称である。どの市場の建物もそれなりに年季が入っていて、昭和の時代を思わせる作りだ。

青食センターの入口には空き店舗が増えてきているせいか「入店者募集」の看板も置かれている。

青食センターの中に入ると、果物や野菜類が売られる市場の片隅が雑誌売場と思われるスペースになっていた。

生鮮食品を置くための商品棚にそのまま雑誌のバックナンバーが置かれているのであるが、なぜか週刊誌の表紙を飾る女優は一様に鼻血を垂れ流して、笑顔から見える歯が抜けてしまっている。そんなに青森の市場は鼻血が出る程暇なんだろうか。

市場の間を通る路地に出る。古い市場の建物のすぐ背後には青森らしくない大型マンションがそびえていた。時代の流れだろうか、地方の駅前もことごとくトーキョーナイズされてしまう。

市場の外にも小さな個人店舗がぎっしりと並んでいるものの、ことごとくシャッター街と化してしまっている。

ただ3つある市場の中で「青森魚菜センター」の建物だけはにわかに活気に包まれている。

魚菜センターの中に入ると見事に魚屋と干物屋だらけで、建物中に磯と魚の香りがプンプンと立ち込めている。八戸も青森も港町で、活気に満ちた市場の風景を見ると実に青森らしいと感じる。

様々な海産物が置かれているが、その中でもやっぱり一番目立つのが生きたまま大量に箱詰めされている新鮮なホタテ貝だ。青森も北海道と同じくホタテ貝の一大生産地であり、養殖業も盛んである。

ともかく朝飯を食べようという事で、古川市場の新名物「のっけ丼」を試してみる事にした。あまり市場に来なくなった地元の買い物客だけではなく、青森駅を訪れる観光客にも市場に来てもらおうと、市場ぐるみで始めたものだと言う。

まず、白飯と味噌汁、惣菜類を売るオレンジ色の旗の掛かった店でどんぶり飯を100円(大盛は150円)で買う。傍らに置かれた大葉も、1枚10円でトッピング出来るようになっている。

どんぶり飯を手にしたら、そのまま市場の中を駆けずり回るのだ。青色の旗が掛かった店で「のっけ丼」をやっている。店の前に立って丼にしたい具材をじっくり吟味しよう。

そして、それぞれ店の主人との会話も楽しみの一つである。もっとも地元民の暮らしに近い場所で、ネイティブ青森人の訛りを体感出来る。

食材は様々あるが、やっぱり青森名物のホタテ貝は欠かせない。さらにイクラものっけてもらう。主人に頼めばこうやって次々トッピングしてもらえる。

こうして市場をうろうろしているうちに、さっきのどんぶり飯が海鮮丼に変わっているはずだ。

だいたいの具材が100円か200円。欲張りまくってもせいぜい1000円程度でかなり豪勢な海鮮丼に変わるはずである。まあ朝飯だったので軽めに盛りつけてみたんですが。かなり贅沢な朝飯だ。

魚菜センター内や向かいの建物に飲食スペースが用意されているので、後はそのへんで勝手に食えば良い。市場の活性化としてまずまず効果があるようで、当初は期間限定だった「のっけ丼」は現在も続けられている。青森市街に寄った際は是非お試しを。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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