はるか、ノスタルジィの街「小樽」を歩き回ってきました

北海道

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小樽駅前の中央通を運河方面に少し進むと右手には都通り商店街があるが、正反対側の左手を見るとアーケードのない商店街がある。

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そこは都通りの延長線上にある「梁川通り商店街」である。梁川の地名はまたしても幕末の志士・榎本武揚に関係あるらしく、この一帯の大地主であった榎本武揚の雅号である「梁川(りょうせん)」から由来するとか。

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そんなご立派な名前がついた梁川通り。しかしその名の通りの雅やかさとは無縁の寒々しい風景が広がっているだけだった。都通りとは違ってアーケードがない分、余計に寂寥感が増す。

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シャッター街としか言いようがない場所だが辛うじて飾りものが張り巡らされた街灯があるなどして商店街の名残りをとどめている印象だ。

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この商店街の先には小樽市民の台所、中央市場に加えて榎本武揚が建立した龍宮神社などがある。延々と人通りもない商店街を横断し続ける飾りものだけが賑やかさを演出している。

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見た目には何も無さそうにも思えて観光客の足も遠ざかるのだが、路地に入り込むと土着的な居酒屋があちこちに残っている。

しかしこんな街にまで場違いとしか思えない駅前タワーマンションが出来たりするもんなのね。確かに札幌まで片道40分やそこらで行ける場所だから通勤圏にしようと思えば出来るんだけども。

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特徴的なトタン葺きの古い店舗兼住宅の建物。道民にとってはどうってことのない物件だろうが、どこか独特の美的感覚を感じてしまうのは何故。

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既にオワコンと言わんばかりに空き地や空き店舗が目立ち、さすがに人口10万超で過疎地域指定を受けたレアな自治体の現実はシビアだと感じざるを得ない訳でございますが…

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そんな梁川通り商店街の名物と言えば若鶏のなると本店。寂れきった商店街に唯一観光客でごった返す若鶏の半身揚げが有名な店である。小樽滞在の最後にここで食おうと思っていたが、街中を色々回っているうちに営業時間を終えてしまい食べ損ねた。

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なると本店の角の脇道。思いの外に山が近くまで迫っている。今にも石田ひかりが突っ走ってきそうな「はるかノスタルジィ」な路地にジンギスカン屋が一軒。

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梁川通りの一本東側の大通りにもレトロで立派な店舗の数々が残っているのが見られる。昔はもっとこの辺も栄えていて映画館なんかもあったらしい。

小樽市の人口は1964年をピークに減少し続けていて、最大20万7千人居たのが今では3分の2の13万人にまで減っている。5年で1万人単位で減少しているのだからかなりのハイペースだ。

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昼間も閑散とした商店街だなあと思って夜にもう一度梁川通りに来たが、見ての通りの寂しい街並み。心なしか風景もモノクロに見えてしまいますな。

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そんな真っ暗な商店街に唯一明かりを灯していたのが銭湯の柳川湯だった。大正時代創業で100年近い歴史がある銭湯だ。

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