伝説の泡沫候補「羽柴誠三秀吉」の本丸・小田川城を攻略してきた 

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羽柴誠三秀吉の居城である小田川城(日本国の住所では青森県五所川原市金木町嘉瀬端山崎267-567)は温泉旅館の火災で正面が封鎖されていた。

しかしその旨はどこにも書かれておらず温泉利用者としてやってきた客が時折ここまでやってきて面食らって引き返す場面が何度となくあった。客でやってきた地元の婆さんが多分「なんで閉まってるの」と津軽弁で聞いてきたが何を言っているのかさっぱり聞き取れない。

我々は温泉旅館の閉鎖も気にせず、小田川城へと至る登り坂を歩き出した。するとしょっぱなからギャグとしか思えない光景が飛び込んでくる。どうやら入城者は右側のゲートを潜って先に進むようだ。左側は恐らく小田川城主一族のプライベートゲートであろう。

笑える程いかつい小田川城入口のゲート。小田川藩国道1号線が封鎖されているので車の出入りが全く無く、不気味なくらい静かだ。どこかから鉄砲か矢でも飛んでくるかも知れない。無駄に緊張感が高まる。

ゲートの上部には「小田川藩帝国 ODAGAWA INDEPENDENCE」と二ヶ国語で書かれている。そこに輝く黄金のエンブレム。藩で帝国なのである。まさに無敵。

しかしどう見ても悪趣味なラブホテルにしか見えない件。

ゲートの脇には「城主 羽柴秀吉」と書かれていた。ただの選挙マニアではない。丘の上の天守閣に住み、主食は金箔らしい。

振り返ると、ちょうど開花時期を迎えた桜並木が殊の外美しい。小田川藩では決して花見の場所取りに困る事がないだろう。

そしてこの先には小田川藩帝国自慢の防衛システムが突拍子も無く現れる。

「帝国海軍省」と書かれた建物は安っぽいラブホテルみたいな外観。

ここが小田川藩帝国の「陸海空参謀本部」となっているのだ。さすが天下統一を目指す秀吉の生まれ変わり、自国領土の守りは完璧である。

ついでに建物には「ミサイル防衛施設局」とも書かれている。どう見てもスーパーマリオブラザーズのクッパ城にしか見えない建物のどこに、防衛システムが隠されているのだろうか。

建物の壁にこの施設の概要について記されていた。

なんだかよくわからんが凄い事になっている。

北朝鮮テポドン迎撃システム多国籍軍侵略阻止などと随分書かれている文言が過激すぎて吹き出してしまいそうになる。

しかし「この場所付近は核弾頭から万一放射能が漏れているおそれがありますから」(なぜかここだけ丁寧語)とも書かれていて非常にヤバイ。漏らしちゃダメじゃん。

どうやら小田川藩帝国では去る1998年8月、北朝鮮が発射したテポドン一号が津軽海峡を通過した事に危機感を抱いた城主羽柴誠三秀吉が国防費3500万円を投じて「陸・海・空・三軍共同開発核弾頭迎撃ミサイル (パトリオット・スーパー・ファイター)最新ヴァージョン国土防衛システム」を導入、54基ものミサイルが小田川城を防衛しているというのだ。

少し離れた場所にも同様のラブホテル風建物が見えている。手前のゲートが封鎖されているため、あの場所への一般客の出入りが不可能である。

香ばしさ全開の陸海空参謀本部を後にすると、左手に現れるのが城主羽柴誠三秀吉の居城であるという天守閣。思いの外小さい双子の天守閣だが、それでも立派に「お城」の形をしている。

天守閣へ通じると思われる「総理官邸」と書かれた門はシャッターが下りたままで中の様子を伺う事が出来なかった。

選挙ポスターでも見かけたデザインの黄色のド派手な看板。羽柴誠三秀吉出陣(選挙)の時には、ここが選挙対策本部になるのだろうか。

ネタにしてもやり過ぎな感がある小田川城、城主羽柴誠三秀吉は青函トンネル工事で土砂運搬業に携わり巨万の富を得た人物であるという話もある。もしそういうことであれば、この小田川藩帝国の存在も土建大国日本が生んだ壮大なジョークなのかも知れない。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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