那覇マチグヮーの文化遺産「農連市場」はマジでボロボロ、東南アジア級の風情 

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農連市場と言えば建物のバラック建築っぷりも非常に魅力的なのだが、やはり市場のど真ん中に生活排水を蓄えたガーブ川が流れているのがこれまた旅情を誘う。もっとも賑やかなのは朝の5時とか6時らしいのだが、早起きできず寝坊して、朝8時半に来れたのがやっとだった。

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もはや川の流れすら判別がつかぬ程淀みきったガーブ川。農連市場はその川の土手に隣接している。継ぎ接ぎだらけの市場の建物が川の前で剥き出しになっているのだ。完全に東南アジアのどこかの国と変わらぬ風景だ。

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全くもって凄まじいバラック建築である。辛うじて支えになっている木材も経年劣化で今にも折れて崩れてしまいそうな格好をしている。

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ガーブ川を跨いで両側に市場が整備されていて、2ヶ所に板張りの橋が掛かっている。さすがに欄干部分はちゃんとした転落防止用のフェンスが据え付けられている訳だが、この橋の作りもおおよそ21世紀の日本らしくない。

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橋の向かい側にも市場が続いている。無造作にダンボールが積まれた古い商店が多い。店先にはいわゆる「うちなー弁当」まで置かれている店もある。

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橋の両側には車止めが置かれていてバイクや自転車の進入を拒んでいる。時折市場の関係者が野菜や果物を載せた猫車を引いては行き来しているのが見られる。

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その橋の上からガーブ川を望む。川の水面までかなり深く掘られている訳だが、それは大雨や台風襲来時に川に鉄砲水が流れてくるからだ。普段は淀みきって生活排水も相まってどこかよく分からない匂いも漂ってくる川だが、これが時折容赦ない暴れ川となるのだ。

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2009年8月には橋の耐震調査工事で川底に入っていた作業員が鉄砲水に流されて4人が死亡する事故が発生している(→詳細)。作業員は1キロ以上の下流の美栄橋付近で次々遺体で発見された。ガーブ川はこう見えても凶暴な川なのだ。

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那覇市では老朽化した農連市場も含めて、暗渠化したガーブ川沿いの水上市場もひっくるめて道路整備を行うという大規模な再開発計画が進められているらしい。鉄砲水事故も再開発計画を前提とした橋の耐震調査の最中に起こったものだ。

ガーブ川はこの農連市場の辺りから1キロ近くずっと暗渠となっている。一体どのような世界が広がっているのだろう。想像するだけで怖いですね。

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農連市場に集まるご老人の年の功か自己主張の激しい沖縄人の性格なのかよく知らんがこの辺には地元民が好き放題書き殴った看板を掲げたりしている事が多い。この看板の主はお茶屋だろうか。ウッチン、グアバア、どくだみ、春うコン(原文ママ)。健康茶を呑んで元気が出る。

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ガーブ川に架かる橋の横には地元民の抗議の文書がダンボールの切れ端に書かれ吊るされていた。植木を盗まれた人の怒りの声らしい。「所有者に断りなく黒木をもって行くのはヌスルである。黒木をもって行った人は戻して下さい。」

こっちの方言じゃ盗っ人の事を「ヌスル」と呼ぶのだ。それにしても盗んだ奴に対してこうも丁寧なメッセージが置いてあるというのも、沖縄人の気質が現れているのだろうか。

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老人に混じってどこぞのガキンチョが残した落書きもヤンキー風味で香ばしい。微妙に漢字間違えてますけどね。学力テスト全国最下位常連の沖縄県だけどそんなの気にしないさぁ。

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そんな市場の片隅には毛繕いをする猫さんが一匹。やっぱり沖縄の野良猫はどいつもこいつも痩せこけている。

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しかしそんな猫さんがくつろいでいる傍らの壁には猫への餌やりに怒る地元民の残した看板が…

「ネコ嫌いにしたのはあなたのせいです ほんとにネコがかわいいならエサやりやめるか 家につれていって かわいがって下さいネ。」…怒っているにしてもどこかお茶目な注意書きである。

実は沖縄県は日本有数の捨て猫・捨て犬多発地帯で、都道府県別の犬猫殺処分数は毎年ワースト上位を占めているそうだ。だからこの辺の猫さんもあんまり呑気に構えていられません。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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