九州最後の炭鉱・長崎市「池島」 – 閉山13年目、人口200人台の島の生活 

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長崎市 池島

戦後に稼働した炭鉱という事もあるので、機械設備の数々は近代的。池島港から炭鉱住宅群がある高台に向かう道の途中にも、錆びまくってはいるが、工場夜景とかに出てきそうな巨大なプラント群が間近に迫る。何なんだこれは?!と思ったら「火力発電所跡」だそうです。

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昭和42(1967)年に完成したという池島の火力発電所、島内電力供給をしていたのはもちろん、発電時に生じた余熱を使った日本初の海水淡水化装置を備えていたという当時では画期的な発電施設だったらしい。

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現在は西彼杵半島側から海底電線や水道管が引かれて電力や真水の供給が可能になったので、今この火力発電所も無用の長物。廃墟の島としての貫禄を彩る1アイテムとして活躍中。巨大過ぎる煙突もまた強烈な存在感を示している。

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ひとまず池島港から炭鉱住宅群が立ち並ぶ一帯に向かおうとするのだが、端島と比べると結構広くて高低差もある島なので、フェリーの到着時間に合わせて運行しているさいかい交通の路線バス(長崎市コミュニティバス、運賃100円)を使った方が便利である。バスという割には車種がトヨタハイエース(笑)なのだが、島内の要所を一巡してくれる。

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ハイエースな路線バスで高台の上に移動すると「新店街通り」というバス停があるのでそこで降りる。これはバス停の名前からしても激しく商店街な香りのする場所に違いない…しかし過疎の島においてその期待は見事に裏切られるのである。

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どうやら目の前にある2階建ての住居兼店舗と思しき長屋の廃墟が「新店街通り」の現状らしい。どこが「新しい店の街」やねんと突っ込みたくなるトホホぶり。きっと一昔前は買い物客で溢れていたのでしょうか。もはや妄想しか出来ません。

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2001年11月の池島炭鉱閉山時の人口は約2700人、それから4年後の2005年には500人未満にまで急減、新店街にあるこれらの店も、その間に次々バタバタ廃業していったのだろう。でも一軒だけ電気屋さんが踏ん張っておられますよ。

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こっちの美容室ももう商売辞めてしまわれたんでしょうかね…端島が閉山後数ヶ月で無人になったのに対し、池島はそのような突然死ではなく、じわじわ弱っていくような印象が強い。

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でもこの島には今でも郵便局が開いている。池島郵便局。郵政民営化とかで騒いでた時期はこうした僻地の郵便局がみんな潰れるって騒いでたけど、結局何にもなってないじゃん。郵貯のATMも使えるっぽいし窓口にもちゃんと人がいますから安心ですよ。

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さらに島には医療機関らしきものまできっちり現役で存在する。長崎市池島診療所、内科だけしか見てませんが一応カレンダー通りに診療を行っている。これがホンマモンのドクターコトーですよ。離島だらけの長崎にはもっと辺鄙な場所もあるし、まだマシなんだろうが…

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新店街通りの廃墟商店群から回りこむと裏通りがある。生活感がどこかまだ残った感がある商店街の裏手。長崎市池島地区公民館があり、その向こうにはなんとボウリング場の建物が見える。

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その名も「池島ファミリーボール」(ボウルではない)。一時期は7500人も住んでいた島なのでボウリング場の一軒くらいあっても不思議ではない。しかし案の定ですが廃業しちゃってます。壁のくすみ具合が結構キテる。

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ボウリング場はいつ頃営業を辞めてしまったのか詳しくはわからなかったが、炭鉱閉山前にはパチンコ屋やらスナック街まで島内に親父の娯楽施設的なものは一通りあった。じゃあもっと怪しいお店はなかったのかな?わかるかいそんなん。

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しかしこの池島ファミリーボール(ボウルではない)、ファミリーと名のつく割にはオッサン軍団しか使いそうにないスナックや雀荘も敷地内に併設されていたのだ。これらも漏れ無く廃業して放置プレイかまされてる。いよいよ壁とかあちこち建物の部品が剥がれ落ちてきているのが生々しい。着実に滅びに向かっておるぞ。

長崎市 池島

これがあと30年くらい放置された時には端島のように家の屋根がへしゃげて落ちてしまったり、建物全体が崩落していったりするのかも知れない。端島は1974年仕込みの39年ものだが、池島は2001年仕込みの13年ものなので3倍近い歳の差がある訳だ。

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九州最後の炭鉱・長崎市「池島」シリーズ

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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