【沖縄ダークサイド】沖縄最強の赤線地帯!宜野湾市「真栄原社交街」壊滅後の姿をご覧下さい(2011年)

宜野湾市

戦後の沖縄には日本本土とは全く違った歴史がある。それは1972年に沖縄が日本に返還されるまではアメリカによって統治されていた事だ。戦後20年余り「太平洋の要石」と呼ばれる沖縄各地に極東軍事戦略を目的に無数の米軍基地が置かれ、またそこに駐留する沢山の米兵によって様々な文化や、時には招かれざる事件がもたらされた。

相次ぐ米兵による婦女暴行、犯罪、そうした悪事に手を染めないよう、米兵を相手にしたAサインバーや特殊飲食街が沖縄各地に開かれ、フラストレーションを持て余す彼らの欲求に応えていた。

沖縄本島最大規模の米軍基地「普天間飛行場」を間近に臨む宜野湾市真栄原の「真栄原社交街」、通称「新町」。ここは戦後沖縄の「悪所」として名を轟かせた場所。

戦後間近の1950年頃、街外れにあった当時の新町に社交街が形成され、米兵相手の売春街として始まったが、その後観光客に知れ渡るとともに米兵から日本人相手の街へと変わり、つい最近まで「現役」であり続けた。だが2010年、地元警察やフェミ団体の熱心な活動によって真栄原社交街はその半世紀以上の歴史に幕を閉じ、壊滅しようとしている。県道沿いにあった「真栄原社交街」のゲートも取り外され、もはや見る影もない。

ゲートもなくなり唯一の目印はバス停の前の怪しげな外観の喫茶店「カップメン」。店名のセンスからして既におかしい。やはり今でも異界が広がっているかのようだ。

真栄原社交街の最寄りとなるバス停も名前が「第二真栄原」と改められている。元々は「新町入り口」だったが、売春街のイメージを払拭するために新町の名前が葬られたのか。

ちょんの間地帯が壊滅させられた代わりだろうか、バス停の前には「デリバリーヘルス」の店舗が堂々と置かれている。女性STAFF随時募集、高収入。今後の沖縄もデリがメインとなるのだろう。味気ない。

第二真栄原のバス停を目印に県道から南側の路地を入ってしばらく歩いて行くと、住宅街から突然平屋建ての粗末な建物ばかりが建ち並ぶ奇妙な空間が現れる。そこがかつての沖縄最強のちょんの間地帯だった。

真栄原社交街までは県道からおよそ100メートル少々の距離にある。既にもぬけの殻になった「飲食店」の玄関だけが残っている。

その先には「社交街内撮影禁止」の注意書きがデーンと置かれている他、暴力団三ない運動を実践しましょう、などと書かれた看板などがある。既に壊滅させられているので撮影を禁止される理由もない。構わず写真を撮る。

で、一歩社交街に足を踏み入れると…かつてちょんの間だった店の建物はそのまま残っているが、開いている店は全く存在しない。やはり壊滅させられたのは間違いないようだ。

赤い屋根の琉球家屋、沖縄らしいコンクリート家屋、プレハブ風の建物、ハコは様々だが中身は全てちょんの間スナック。現役時には1年365日24時間コンビニ状態で遊びに訪れる男どもを出迎えるお姉ちゃんの姿があった。

真栄原は大阪の飛田新地などとは違ってやり手ババアが仲介するのではなく、ピンク色の照明に照らされた店先に立っているお姉ちゃんと直接交渉する。同じく壊滅させられた横浜黄金町や川崎堀ノ内にあった店舗と似たようなシステムだ。

ただ黄金町などとは違ってお姉ちゃんは全員日本人。ウチナーもいればナイチャーもいる。

宜野湾市真栄原二丁目の小さな一画に100店舗以上もの置屋が密集し、沖縄の蒸し暑さも相まって通りを歩くだけでも人間の体臭や女の香水と煙草の臭い、それに付近のドブや小便の臭いが混じった凄まじい空間だったそうだ。

そんな真栄原の評判を聞いていて以前から見たいという衝動があったのだが壊滅した後になってようやく行けるようになったのが、いささか悔しい。今の真栄原社交街はゴーストタウンという表現以外に思い浮かぶ言葉もない。

潰れた店舗の跡。看板も取り外されたままになっており荒れた店内の様子がガラス越しに見える。

システムはショート15分5000円からで、30分1万円と非常に安い割には若くてそこそこの子と遊べるというので、評判は沖縄どころか全国的に有名だった。沖縄の桃源郷だと形容するスケベオヤジもいる。ただ那覇からタクシーで往復5000円くらい掛かるので足代を入れると結構な出費だ。

ただ今この場所を訪れても、ひたすら廃墟化した置屋の建物が陳列されているのを見るしか出来ないので、実に寂しい限りだ。確実に存在していた戦後史をまるごと「悪」と切り捨てて無かった事にするのは、ある意味では文化迫害の暴力でもある。

真栄原で働いていた女性達は、今どこで何をしているのだろう。

今回特に笑えたのが置屋の片隅に無造作に置かれた潰れた店のドアに常連客の実名を書いて「超変態」と罵った落書きが見られた事だ。夜の街は人間の醜い欲望と欲望がガチでぶつかり合う、実に生臭い空間なのだ。

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