【太田市】東武伊勢崎線「太田駅南口」に見る地方都市の悲哀

群馬県

東武伊勢崎線浅草駅から特急りょうもう号に乗って北関東に向けて1時間半、そこは群馬県南東部と栃木県南西部に跨る「両毛地域」と呼ばれるエリアで、群馬県太田市や館林市、栃木県足利市や佐野市などを中心とした一つの都市圏を成し、県境を飛び越えて生活圏の交流がある。

群馬・栃木双方の県庁所在地である前橋や宇都宮よりも東武伊勢崎線で直結している東京方面にも比較的近いゆえ馴染み深く、首都圏近接の工業都市としての性質を帯びている。

そんな両毛地域を訪れた我々取材班。前回は「群馬のブラジル」こと邑楽郡大泉町だったが今度は両毛の大都会、人口22万を抱える太田市である。東京からだと特急りょうもう号の他、久喜からの各駅停車でも来れる東京80キロ圏内都市。まあまあ立派な駅舎だがのっけからヤンキー率が高い。

この太田市の中心市街地の一画を成す太田駅南口が風俗街化していてヤバイという話は以前から耳にしていたものの訪れる機会がなかったのでヤキモキしていたのだが、先日ようやく訪問する機会を得た。やたらだだっ広い駅前の正面から伸びる道路沿いがピンクゾーンらしい。

っていうか駅前一等地からして既に風俗街である。暇そうに客引きのボーイが携帯をいじくりながら男性客が通り掛かるのを待っている。

群馬県太田市はスバルこと富士重工業の企業城下町で、北関東有数のモータリゼーション先進地帯という土地柄だけにイオン帝国の軍門に下っている状況はなんだかトヨタ王国の愛知県豊田市などと被るのだが、駅前から出ているイオンモール行きのバスに若い男女が次々乗り込んでいく光景を見ていると駅前の寂れっぷりも頷ける話である。

イオンモールに客足を奪われた駅前商業施設「ベルタウン」は長年太田駅前のランドマークだったがユニー太田店と共に完全撤退、その代わり入って来たのがDQN御用達ドンキホーテというオチ。空洞化した駅前に誕生した巨大ドンキは両毛地域のDQN率の高さを反映するかのごとく新たなDQNの誘蛾灯と化していた。

ドンキホーテ化した駅前ビルの駐車場は無料開放されていた。そうでもしないと客が来ないですからね。でも客の半数近くがDQN風味か南米系である。さすが群馬のブラジルだけの事はある。

2007年にベルタウンが営業終了した後に入ったドンキホーテの店舗面積は見た所ビルの半分程度で、どうも残るスペースに元からあった店が並んでいたようだが、客層がDQN化しだして普通の客が来なくなったのか軒並み撤退したんだそうだ。だからビル内にはやたら空き店舗が目立っている。

しまいにはエスカレーターまで止まったままになっているという哀愁漂う光景。階段としてご使用下さいませ。別に節電を意識しての事ではなく単純に客が少ないからだろう。大泉のブラジリアンセンターみたいな事になってんなオイ。

そんな状態のショッピングセンターに新たに出店する店などせいぜいブラジルレストラン程度である。シュラスコ食べ放題らしく肉の匂いが充満していた。両毛地域は愛知県や静岡西部と並ぶ日本有数のラテンコミュニティ地帯。ご主人様がトヨタかスバルかの違いだけで本当に瓜二つだな。

空き店舗が目立つ商業施設内にはドンキホーテ直営の軽自動車販売店が。両毛地域じゃ車がないと生活出来ないから軽自動車の需要も高い。車売ってるのに貧乏臭い店構えなのはさすがドンキ仕様。

それにしても人がいなさすぎる。このビル、ドンキホーテの営業時間である深夜一時までは開放されている。そんな時間になったら客層がどうなっている事やら、考えただけでも鳥肌が立つ。

ヤンキーとブラジリアン率の高いドンキホーテの店舗を出ると目の前の店もやはりソッチ系。そしてやけにフィリピン国旗も多い。かなりの多国籍タウンだ。

ビルの脇にはテレホンクラブの店舗もございます。駅前一帯もこういう店ばかりで、元からあったまともな店はことごとく潰れている。

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