限界マイホーム・新宿まで中央線で片道80分通勤…山梨都民ベッドタウン「コモアしおつ」 

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コモアブリッジを上がった先にあるのが、コモアしおつ唯一のショッピングセンターとなる「コモアプラザ」だ。上野原市を中心に店舗を構えるスーパー公正屋を中心に一通りの店舗が入っている、言わば村の買い物拠点。向かいには唯一と思われる金融機関、山梨信用金庫の店舗がある。やっぱりここは山梨県なのだ。

コモアプラザの近くに若干数ではあるが個人営業の外食店が点在している。地区全体の人口も限られているだけに、外食店はさほど多くない。

山の上にあるから「山の上接骨院」というベタなネーミングの接骨院が一軒。店らしい店といったらこんなところだろうか。

コモアしおつの住宅地に入ると、開放的な周回道路にそって街路樹と家々が規則正しく並んでいていかにもなニュータウンっぷりを見せている。かなり山奥にあるので、すっかり寂れてしまっているかと勝手な想像を巡らせていたが、その予想は外れた。

ニュータウン内の各地区ごとに適度な大きさの児童公園が整備されていて、子供の遊び場や犬連れの散歩も「安心して」利用できる作りになっている。

ニュータウンの街区はなんたらコムだのと呼ばれるセンター・ウエスト・サウス・ノースの4つに分かれていてその全てが戸建て住宅となっている。ニュータウン内の南東の外れに市立四方津小学校があり、小学校の脇から甲州街道に抜ける車道が続いている。

一部では真新しい建売住宅も並んでいて、まだまだ住宅需要があるような勢いを見せている。かなりの山奥にあるが、電車の便もあって、道路も中央道上野原インターが近い。自家用車があればそれほど日常生活には苦労しないようだ。

東京の郊外でよく見かけるマッチ箱のような見掛け倒しの一軒家とは違っていて、コモアしおつの住宅は家一軒の面積がかなり広い。さほど荒れている様子もなく、大阪の茨木台ニュータウンのようなマチュピチュ状態を期待していた我々にとっては拍子抜けするほどだった。

山梨県民になってしまうことと、カタカナひらがななゆとり爆発の地名が恥ずかしくなければ、そんなに悪くはないかも知れない。

ちなみに所在地の上野原市は人口3万人未満の市だが、2005年に市町村合併で北都留郡上野原町と南都留郡秋川村が合併して出来たばかりの自治体だ。

販売中の建売住宅の一つ。土地82坪、建物40坪で4480万。山梨都民の割にはやや割高な設定になっている。ある程度の富裕層を狙った価格設定だろうか。大阪の茨木台ニュータウンだったら中古で土地建物付きの家が500万円台で買えるのに。

ニュータウンは全域が第一種低層住居専用地域である上、細かい建築協定が定められている。ここが山梨県だと言ってもやけに格式が高い。

4つある公園の中でも一番大きい「時計の公園」に行くと親子連れの幸せな休日の風景が広がっていた。いかにもなニュータウンでいかにもな光景が見られただけで、別に何のツッコミどころもありませんでした。

ちなみに山梨都民のニュータウンは他にも存在していて、猿橋駅近くに「パストラルびゅう桂台」というのもある。ここは四方津よりもさらに奥地だ。

しかし近年の都心回帰志向で郊外のニュータウンは衰退傾向が強い。これらのニュータウンがある大月市や上野原市も過疎化で人口が減少しまくっているが、山梨都民の暮らしも、10年、20年後の将来も変わらず続けられているのだろうか、未来は分からない。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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