日本に生まれたならば誰もが人生の中で一度は目にした事があるかも知れない「世界人類が平和でありますように」と書かれた謎のステッカーやポールの数々。それらの出処は「白光真宏会」という宗教団体で、その聖地が静岡県富士宮市があるというので見に行った。
富士宮市北部、富士山西麓一帯の「朝霧高原」と呼ばれる高原地帯の一画に白光真宏会富士聖地という施設がある。富士山の麓と聞くとどうしてもオウム真理教のサティアンとか富士大石寺とかそういうものを想像しそうになるが、宗教団体を寄せ付ける吸引力があるんでしょうね富士山ってね。
朝霧高原にある白光真宏会富士聖地までは富士宮市街地から片道20キロ40分掛かる。国道139号から外れた少し分かりづらい場所にあるのでカーナビ任せにしておいた方が確実に来られる。来てみると…非常にだだっ広い。さすがに聖地だけの事はある。
ここが「世界人類が平和でありますように」の聖地だというのは、敷地内にびっしり据え付けられた世界各国の国名と国旗と現地語が添えられた大量の「ピースポール」が物語っている。見るからに凄まじい。圧巻の一言である。アンチグア・バーブーダが平和でありますように。どこやねん!
このピースポールも1つ2つくらいならまだしも百数十個も一列にずらりと並べられたら見た目に相当やばい事になってしまう。
白光真宏会と言えば単純な布教活動よりも、これらのピースポールを世界に広める活動を行っているイメージが強い訳だが、このお馴染みのフレーズは同団体の開祖である五井昌久氏が提唱した「世界平和の祈り」の一文である。
この富士聖地は開祖の五井氏が逝去した1980年に完成し、それ以来現在に続いている。宗教法人としても戦後に発足したもので、当初は千葉県市川市新田に教団道場があったそうだ。
いまやピースポールは宗教団体や民族の垣根を超えて日本国内どころか、世界各国、地球の裏側にあるペルーのマチュピチュ遺跡の入口なんて場所にまで立て掛けられている訳だが、その世界的聖地であるこの場所は参拝者もいたって少なく、聖地にふさわしい静けさを保っている。
地球儀の足元にでかでかと「世界人類が平和でありますように」と書かれていたりするのだが、あまりに巨大過ぎて全景をカメラに収める事もできないというスケールのでかさ。
でかい…でかすぎる…一文字だけでも畳六畳分くらいないだろうか。富士聖地は我々が想像していたよりも高度なパワースポットだ…
同じく英文で「May Peace Prevail on Earth」と書かれた箇所。これは地上にいる人間でなく天界の神に祈りを届けようとしているのか…試しに航空写真だとこんな感じに見えます。さすがです。