名古屋市熱田区と言えば三種の神器の一つ「草薙剣」を祀る熱田神宮があり毎年正月には初詣客で賑わう場所として有名だ。その熱田神宮への最寄り駅の一つとなっているのが名鉄神宮前駅。
金山から電車でたったのひと駅、名鉄神宮前駅は名鉄本線と知多半島方面へ向かう常滑線との分岐点となる乗換駅。やたら立派な駅ビルがそびえているのだがその割には人通りが少ない。
そんな駅ビルの真向かいに戦後のドサクサ臭が濃ゆい「神宮小路」なる路地裏横丁が潜んでいるのだ。中央の路地に続く入口には日本酒とビールの絵が描かれた小さなアーチ看板が架かっていた。ようこそ神宮小路へ。
まずは神宮小路の前を通る路地に入る。古ぼけたバラック飲み屋街が連なっており風情は昭和そのもの。向かい側には名鉄フードショップというスーパーがあったはずだが取り壊されてコインパーキングに変わっていた。
駅から電波学園ビルの手前までの僅かな一画に戦後の時代からそのまま使われているような粗末なバラック長屋がひしめいている。かなり見応えがあります。
「手づくり串かつ店コロッケちゃん」の看板の裏に注目!とんでもない所に洗面台が据え付けられているのだ。窓を開けて手を洗いましょう、という寸法か。こんなアクロバティックな洗面台見たことないぞ。
それでは神宮小路の中に入りましょう。中央の路地から見る昭和の盛り場の風景はかなり素晴らしい。狭い路地に居酒屋の看板がひしめき独特の雰囲気を漂わせていた。昼間からラーメン屋などもあってランチタイム営業しとります。
アーチ看板を潜ってずんずん路地を進んでいくとたちまち戦後の世界にタイムスリップ。駅前一等地とは思えないやさぐれっぷりを味わう事が出来る。もはやちょっとした魔窟である。
本当にごく狭い一画にしかないのですぐ一周出来るような路地裏横丁な訳ですが…背後にそびえるビルは名古屋工学院専門学校(学校法人電波学園)の建物。電波学園は名古屋では有名な専門学校だが思えば凄くゆんゆんなネーミングですね。
反対側を見ると名鉄のロゴが入った神宮前駅の駅ビルの建物もよく見える。恐らく住人は後期高齢者ばかりだろうか。若々しさが皆無である。
まあやはりというか二階部分が居住スペースになっているようで、洗濯物が干されていたり洗濯機やケッタ…いや自転車が置かれている辺り、とても生活感が濃ゆい。
小料理小天狗の角から伸びる細い路地裏で昭和ブルース度数が最大値に。雰囲気から見て戦後のドサクサだというのは分かるがどういう経緯で出来た飲み屋小路なのか気になるよな。
神宮小路専用の共同便所もあるが、見ての通りかなり昔の仕様となっている。こういう場所の共同便所にはありがちな展開だが、結構な激臭です。
共同便所の入口には公明党ポスター。んまあ、やっぱりこういう場所には似合いますよね。