青森駅の南側、古川市場から西側一帯には歓楽街が立ち並ぶ怪しい路地が広がっている。
再開発ビル「アウガ」の南側から路地裏に吸い込まれるように入っていく。この付近は闇市の時代からそのまま残っている建物も多く、バラック率が高いのが目に付くはずだ。
そのまま路地を進むとだんだんと街の雰囲気が殺風景に変わってくるとともに、ちょっと怪しげな飲み屋やなんとか接待系の店舗がちらほらと姿を現わす。歓楽街と言えども決して華やかな雰囲気とは言えない薄暗さに絶えず支配される。
路地を突っ切るとその先にもスナックが一軒。店の名前からして既に怪しげである。さて、何をして遊ぶお店なんでしょう。想像できません。
古ぼけた雑居ビルとキャバクラ風味の「サロン」が立ち並ぶ古川一丁目の歓楽街。青函連絡船が現役だった頃は北国を行き来する沢山の船待ち客で賑わっていたのだろうか。スナックの入る建物の上、角度の付いたトタン葺きの屋根が哀愁をそそる。
しかもこの「サロン」の入った雑居ビルの玄関には「アパート 15,000~」と張り紙がペタっと貼りつけられていた。こんな外観だが2階部分がアパートになっているらしい。家賃が1万5千円というのがさすが青森価格だ。余裕で青森駅徒歩圏なのに。
周辺はマンションが建ちそれなりに近代化を見せているが、この界隈だけは変わらず裏寂れ澱んだ空気を留めている。よく見ると地面のアスファルトも剥がれ落ちるに任せる状態で、行政にもかなり放置気味にされている感じがする。
夜の街かと思いきやすぐ向こうには菓子屋の倉庫があり、従業員が菓子パンなどを箱に詰め替える作業をしていた。
路地を西側に進む。そこもわずかながらに歓楽街が続いている。
青森駅真ん前に隠れる本州最果ての原風景、スナックとトタンバラック家屋が立ち並ぶ古川一丁目。雪が積もる冬場にも訪れてみたいものである。
この付近は夜になると「サロン」やスナックがネオンサインを輝かせる一方で街中が闇に包まれる。客引きと思われるコート姿のオッサンがあちらこちらに立っていて、事情を知らずに通りがかるとかなり怖い。
一本西側の通りに入ると、そこは先程の「青森DX劇場」があった所だ。
その先には、やはり同様に怪しさを垣間見せる紫色の看板が目立つ「カワズ旅館」。王冠を被った蛙がトレードマーク。古池や蛙飛び込む水の音。
しかしこの旅館は営業している様子が全くない。山小屋ペンション風味な外壁が特徴的だが、場所柄を考えると旅館というよりはやはりラブホテルに近いノリを感じる建物である。
旅館の玄関は正面ではなく建物右側にアプローチが伸びていた。この前自体的なテント屋根の玄関、やはり昭和の連れ込み旅館を思わせる作りだ。