謎の廃材置き場に囲まれた廃墟系秘湯…千歳市「祝梅温泉」でひとっ風呂浴びてきた 

北海道

北海道が温泉の宝庫というのは行った事のない人間でもテレビとかで見聞しているはずなので有名な話だが、メジャーな温泉街もあればマイナーな秘湯もある訳でどこの湯に浸かるかプランを練るのは旅行の醍醐味。しかし今回我々が「マニアック過ぎる秘湯」を求めて来たのは自衛隊と空港でお馴染みの千歳市。

秘湯とか言いながら全然札幌近郊じゃねえかよと思う訳だが、車で来れば札幌から1時間と掛からないような場所に「祝梅温泉」という名前の温泉がある。

千歳市街地の東側に祝梅という地区があって、すぐ近くが自衛隊の東千歳駐屯地になっている。ただヒントはそれだけで、現地に来ても温泉施設らしき看板の類も一切ない。田園地帯にぽつんとそびえる謎のコンクリート塔が唯一の目印だ。

それでも一応、祝梅温泉の住所を調べてカーナビに入力してやってきた訳だが、来てみるとのっけからガラクタだらけのよく分からない廃材置き場のような場所に紛れ込んでしまっただけで、温泉施設らしきものが見当たらない。

まるで焼き討ちに遭ったかのような荒れっぷりを見せていて事情を知らずに迷い込むとやたら怖い。ヒャッハーな連中に囲まれてボコられやしないかと心配になるが、温泉の場所は確かにここで間違いないのだ。

大量の廃材が積まれた中を車一台分辛うじて通れるスペースがあるので意を決して奥へ進んでみる。借りてきたレンタカーがガラクタに擦れやしないかここでも不安いっぱいになる。

この風景を見て思い出したが札幌の清田に「ゴミロード」と呼ばれる場所があって古物商のオヤジが廃車や廃棄物約700トンを溜めまくって数百メートル程の他人の土地がゴミだらけになっていて酷いとテレビで紹介されているのを見た事がある。結局オヤジも逮捕されてしまいゴミロードも撤去され現存しない。

ゴミロードもそうだが収集癖をこじらせた人間には独特の行動心理があって面白い。この土地の主もそんな趣きを感じさせる。なぜかプレハブ小屋まであったりして、どうも建築資材屋っぽいなと勘繰る。

しまいには錆び付いたまま放置された建築用足場が大量に積まれているのを見ると、やはり建築資材屋でビンゴかなぁと想像する訳だ。おかしいな、ここは確かに温泉施設のはずだが…

あまつさえ見張り小屋のような足の高い櫓が組まれていて、その前には田園地帯が広がっていた。事情を知らずに来たらナントカ組織のアジトか成田空港あたりの団結小屋のようなノリにしか見えない。

延々と廃材の山を眺めつつ早く風呂に入りたい欲求に駆られる。いくらなんでもこんな場所に温泉施設なんかないだろうと思い始めてきた。

しかし期待を裏切ってはくれなかったようだ。廃材とバラックだらけの怪しい土地の一角にようやくまともな家屋が現れたのだ。我々は遭難中に山小屋を見つけるが如く一気に緊張感が緩んでその建物に近付いた。

そしてこの建物の裏側に回ると、そこに「祝梅温泉」と書かれた立派な表札が掲げられた玄関口があったのだ。本当にこんな場所に温泉があるらしいです。これはもう入るしかないよね。

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