謎の廃材置き場に囲まれた廃墟系秘湯…千歳市「祝梅温泉」でひとっ風呂浴びてきた 

<1ページ目を読む

最大級の規模を誇る陸上自衛隊東千歳駐屯地の直近、千歳市祝梅の田園地帯に佇む廃墟系秘湯「祝梅温泉」。付近に目印も何もなく、カーナビ任せでやってきたら廃材だらけの気味の悪い道に車を突っ込む事になるわ、碌な事にならないと思いつつもちゃんと温泉施設があるんだからある意味「秘湯」には違いない。玄関口には飼い犬達がノーリードでお出迎え。わんわん。

玄関ドアを開けてもフロントや番台にあたる場所もなく、どう考えても人ん家のガレージにしか見えないアプローチ。誰も居ないので不安気に声を掛けてみると奥の部屋からお婆さんが「どうぞ」と返事が来る。この左の扉が入口でした。

中に入るとやっぱり普通の人ん家だった(笑)部屋の壁には温泉分析表などが掲示されているので、れっきとした温泉なんですよ。そして休憩用のソファーも自販機も産直野菜売り場もある。

部屋の奥には婆さんがテレビを見ながら暇そうに座っていたので、入浴料金を払って男女別の脱衣所に入る。燃料代の高騰で近年値上げしたそうだがそれでも入浴料金は350円。安すぎる。

んで、案の定脱衣所や浴室の中には誰も居ないという罠。

これが待ちに待った祝梅温泉の浴室。洗い場と浴槽しかなく非常にオーソドックスな造りをしている。窓の外には主人がこしらえたのか日本庭園の出来損ないのような池と庭まであってそれなりに風流だが土手に布団が捨てられていたりして様子がおかしい。

肝心の湯は多少熱めになっていて、源泉が冷たい為に加温されているそうだ。アルカリ性の含重曹食塩泉で褐色を帯びておりヌルヌル感が強い。すっごい滑るよ。

ひとっ風呂浴びてすっきりしたのでまた外に出て周辺の様子を見る事にする。終始ノーリードのわんこさんは妙に人懐っこい。

他にも飼い犬が数匹いるらしく付近を勝手にうろつき回っている。さすが北海道だけあって犬も自由でいいよなあ。

他にも風呂上りの客の為だろうかオープンテラス的なものまであって素敵。森に囲まれて深呼吸…といきたい所だが周りは廃材だらけで雰囲気も糞もあったもんじゃない。そこがいいんだけどさ。

中に居た婆さんに色々聞いたのだが、周囲に置きっぱなしにされたこれらの膨大な廃材群は一体何なのかというと「薪にしている」ともっともらしい答えが帰ってきた。源泉がぬるいので大量の薪を使って湯を温めなければならないのだ。爺さんが薪を作って沸かしているらしい。

しかしどう考えても薪になり得ない建築用足場やその他金属製のゴミもあるし、それに外れたドアだけが唐突に置かれているのも笑える。

大量の廃材はこの巨大なユンボで豪快に運んだり壊したりしているのだろう。これももしかして主人の爺さんが一人で操ってるのか。さすが北海道の温泉はスケールが違う。

帰り際は正規の入口から車を出して祝梅温泉を後にした。ここでようやく正しい出入口の存在に気づいたのと、祝梅温泉のシンボルであるぶっ倒れたままの巨大なボウリングのピンが目に入った。

何度立て直しても倒れてしまうらしいボウリングのピン。そこに「祝梅温泉」と書かれている。あまりにシュールな光景である。なぜボウリングのピンなのかと言うと、スポーツのボウリングと掘削のボーリングを掛けているという噂がある。

ちなみにこの祝梅温泉、2008年初旬に火事で建物が丸焼けになってしまっていて、現在の建物は再建されたものらしい。それでもわずか350円の入浴料金だけで経営が成り立つあたり、ちゃんと固定客が居るからだろうな。

ロケーションも雰囲気もともに素晴らしい温泉施設なので、旅の途中に是非立ち寄って欲しい。


The following two tabs change content below.
新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.