【仙台市】杜の都仙台の胃袋を支える国分町「稲荷小路」の飲食街を歩く(2010年)

地元民には「ブンチョー」などと呼ばれるらしい、仙台を代表する繁華街「国分町」の入口は仙台駅から広瀬通に沿って西に徒歩10分少々の場所だ。国分町通りを中心に東一番丁通、広瀬通、定禅寺通、晩翠通に囲まれたエリアが国分町の歓楽街となる。

しかし今回はギラギラ感が強い国分町のメインストリート、国分町通りを東に外れてみる事にする。普通に多種多様な飲食店が同時に密集していて、いかがわしい目的ではない観光客もうろつき回るような場所だ。

国分町通と東一番丁通の中間にある通り「稲荷小路」は非常に飲食店の密度が高い。右側にある特徴的な茶色い外壁が目立つ「千松島ビル」の一角に行列が出来ている。

行列の先には牛たん専門店「旨味太助」の本店がある。仙台における牛タン屋の元祖「味太助」の分店(親族で暖簾分けしているようだ)であるが、見ての通りイカニモな観光客が店の前に並んでおり、常に行列が絶えない。

店の玄関口にもやたら自信たっぷりに謳い文句を飾る。とりあえず一旦ここは素通りするとして…

国分町通りに比べると稲荷小路は純粋に「普通の飲食店」が多い印象だ。やはり街がコンパクトに収まっているのは基本的には楽なんだろうが、いかがわしいエリアとそうでないエリアが極端に近いケースもままあるわけで。

旨味太助が入居する千松島ビルの南隣は東一市場の三越通りと同じような二階建ての飲食店が並んでいる。

牛タン屋だの焼肉だの胃もたれしそうな店ばかりが目立つ一方で古い佇まいを留める喫茶店もある。

シャッターを下ろしてはいるが、かなり老舗である事を思わせる鳥肉専門店まである。まさに仙台人の胃袋の中身を見るかのような稲荷小路界隈の街並み。

虎屋横丁との交差点まで歩き進めるとその先も容赦なく飲食街が連なっている。相変わらず牛タン屋があちこちにある他、居酒屋の店舗も多い。そして商店街の街灯に並ぶ広告がなぜか全部「タマホーム」。

国分町通りのギラギラした街並みに比べると稲荷小路にある飲食街はオッサン向けの地味な小料理屋ばかりが入るビルが目立っている。

国分町通りと稲荷小路を結ぶ雑居ビルの谷間には路地裏系焼肉屋の看板が顔を覗かせている。ひとまず国分町にやってくると食べ物に困る事はまずなさそうである。

ちょうど腹も減っていた所だし「旨味太助」に入る事にした。行列は嫌なものだが、回転率が早いのか5分としないうちに店の中に案内された。

戦後進駐してきたGHQが牛肉を消費していた一方で捨てられていた牛の舌と尻尾を有効活用した「戦後の食文化」が生み出した料理が牛タン定食である。麦飯とテールスープを添えて、基本的に塩胡椒だけで味つけした牛タンを頬張る。肉は2人分の量だが、これで1人前1260円。

ちなみに国産の仙台牛は少量かつ高価なので牛タン定食として出回る事はまず無い。旨味太助の牛タンも中米のホンジュラス産である。殆ど聞いた事のない国だよな。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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