佐世保市勝富町・軍港の遊里「勝富遊郭」跡を歩く (2)

軍港佐世保を代表する遊里、勝富遊郭跡を歩く我々取材班。引き続きレポートをどうぞ。

勝富遊郭跡の北東側。この辺は廓の内と外を隔てるように段差があり、どこかしら大阪飛田新地の嘆きの壁を彷彿とさせる造りだ。中は殆ど住宅地になっていて向こう側にラブホテルも建っているが、階段前の一軒だけ妓楼建築が見られる。



ここは地図上では「津山アパート」という事になっている。何気にアパート転業組が多いですね。それはいいけど豪華な玄関口がほぼそのまんまだ。これはなかなか趣きがありますな…

やけにワンワンうるさいと思ったらこの中でわんこが飼われておりました。妓楼の玄関で顔見世してはります。人間の女の子は居ないようですが犬が相手してくれるようです。よかったですねお父さん。

そのまま元遊郭北側の高台になった路地を進むとその先には一際存在感溢れる元妓楼「旧開新楼」の建物。ここはかなり綺麗な形で残っている。転業旅館にはなっていないが、まだ人が住んでいるらしい。

ともかくこの建物は玄関部分が素晴らしい。屋根上の装飾、玄関扉の木の質感、決して華美ではないが凛とした老女といった佇まいで。よく見ると玄関上に「新開荘」と書かれたアパートのネームプレートが。旧開新楼の名称をひっくり返したか。

堂々の風格漂う二階部分の窓。格子が嵌めてあり外に身を乗り出せないようになっている。これは遊女の逃走を防ぐための仕様か?

ここでは玄関の下、足元に注目してみよう。よくある豆タイルではなく玉石が敷き詰められ模様を描いているではないか。

今はさしずめ後期高齢者の終の棲家か何か知らんが「新開荘」と書かれている通りアパートのような使われ方をされているようです。一階部分に格子のついた窓がありますね。しかし…

よく見たら破れた柵の隙間から猫が首を出してこっち見てました(笑)網が張ってあるので身体をすり抜ける事ができない。おかしいニャー、外に出られないニャー。かつての遊郭で一生を終えた遊女のような哀愁をこの猫さんに感じます。勝富遊郭跡、犬猫率高いです。

遊郭跡を一周して回ったがやはり最も雰囲気が濃ゆいのが「割烹旅館松竹荘」の建物がある辺りだろう。我々はここに隣接する系列の「ホテル松竹」に泊まったのだが、なかなか壮絶な末期的症状を呈した連れ込み旅館で素晴らしかった。

今も残る割烹旅館松竹荘の看板。大小宴会、ご婦人方の集会等にご利用下さいと書かれている。ふぐとかうなぎとかって今でも食えるんですかね。

二階部分の壁に見られる半円形の嵌め殺し窓。三色色違いのガラスが嵌めこまれている。

松竹荘のエントランス。素晴らしい佇まいである。今度は廃墟寸前の場末ビジネスホテルではなくこっちに泊まりたい。っていうか今でも泊まれるのか?

玄関周りの壁に施された飾り窓といいクオリティが高すぎてさっきからずっと溜息吐息が止まりません。ハアハア…

玄関脇の壁にも引き戸のついた飾り小窓が取り付けられている。中は郵便受けみたいになっていて郵便物やチラシが積んであった。

二階部分の壁は一部銅板葺きになっており耐火を意識した造りになっているのもレベルが高い。戸袋の横にある丸い小窓もアクセントになっていて良い。

玄関の中もちらりと見てみたが綺麗に掃除されていてスリッパも並んでいたので、恐らくまだ「営業中」なのだろう。個人的には重要建築物指定したい程のクオリティの高さだ。勝富遊郭自体、なんだか見捨てられてるような感じがして勿体無い。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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