伊豆高原のツルッパゲ火山「大室山」に登る

2010年1月、温泉街・熱海への取材旅行を済ませた後に伊豆半島を回ろうという予定になっていた。熱海駅からレンタカーを借りて、伊豆半島を南下、その途中に別荘地として名高い「伊豆高原」がある。

伊豆高原には大室山という変わった山がある。

山全体に木が一本も生えていないツルッパゲ火山である。山全体をカヤの草で覆われていて、毎年2月第2日曜日に山焼きが行われる事でも知られている。その時には山全体が豪勢に燃え上がるのでたいそう見所のある風景が拝めるというのだ。暇な時に眺めていた航空写真でたまたまこの山の存在を知り、気になって仕方が無かったのでやってきたのだ。

大室山への登山口となる駐車場には大室山はじめ、伊豆東部火山群について書かれた看板がある。富士山などと同じようにお椀をひっくり返した形をしていて、火山活動で出来た休火山。最近の噴火は約4000~5000年前と言われている。

この山には山頂までリフトが繋がっているため誰でも気軽に観光登山が楽しめる。ビジュアル的には雪のないスキー場でリフトだけが動いているような感じだ。近づいてみると想像以上にでかい山なので、リフトも非常に長い。

山頂までは約10分を要する。その間はしばしの空中散歩状態を楽しむことになる。すれ違う客はなぜか犬連れが多い。

山頂に登ると眼下に広がるのは壮大な伊豆高原の景色だ。別荘地となっていることもあり、あたり一面には別荘として使われている一軒家がぽつりぽつりと見える。

大室山に真下に広がっている妙なピラミッド型の温室が並んだ施設は「伊豆シャボテン公園」だ。さっきからずっとラテン系音楽が流れてくる。

視界のいい日には房総半島や東京湾の全景が拝めるそうだが、この時間帯はあまり空気が澄んでいなかった。相模湾や富士山すら見えない。

大室山は休火山なので、当然ながら火口が存在している。山の外周(お鉢)から深さ70メートル程窪んだ火口の下は、なぜかアーチェリー場。そこはかとなく漂う「B級スポット」の香り。1時間千円でアーチェリーが楽しめるらしい。

アーチェリー場以外は一周1キロの「お鉢巡り」をしながら景色を楽しむくらいしかやる事がない。

山頂の休憩場から火口のアーチェリー場に下るまでの道に、富士信仰の「浅間神社」がある。関東特有の山岳信仰の一つで、富士宮市に富士浅間神社の総本宮がある他、関東を中心に約二千社もの浅間神社がある。

大室山の浅間神社は非常に小さい。あずま屋のような掘っ立て小屋に祠が建っているだけのような質素な造りをしている。全国各地の浅間神社が木花咲耶姫命を祀っているのに対し、この神社だけが磐長姫命のみを祀っているという、変わった神社だそうだ。子宝安産の神として信仰を集めている。

他にももう一つ、大きな岩をくりぬいたような形で祠が置かれていた。

大室山を訪れる観光客の殆どにスルーされまくりの気の毒な神社だが…


The following two tabs change content below.
新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
トップへ戻る
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.