漆黒の激臭風呂で有名なカルト温泉「越後の里親鸞聖人総合会館西方の湯」 

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肝心の温泉施設に入る前から全長40メートルの親鸞聖人像とか何やらかんやらで既に色んな意味で度肝を抜かされてしまったがようやくここから本題の「日本一臭い」「うんこ臭い」温泉とやらの正体を知るべく突入する事と相成る訳である。果たして生きて帰って来れるのか…

「総合会館西方の湯」の入口付近に車を止めて玄関口へ。この付近も何やら家財道具っぽいものが乱雑に置かれていてテキトーな印象が否めない。商売っ気すら微塵も感じないテンションである。

本当に大丈夫なのかと何度も不安に駆られるのだが一応玄関前には「営業中」と書かれたプレートが置かれていて、確かに現役で営業している事を知りこの場で安堵の溜息を吐く。「源泉かけ流しの湯」という事で無駄に期待が膨らむ。

だが中に入ると…暗い…絶望的なまでに…暗い。我々は廃墟探検に来た訳ではないのだ。昨今の節電ブームに乗じて館内消灯でしょうか。しばらく挙動不審者の如く館内を見回しているとようやく受付のオバチャンが出てきた。

受付でオバチャンに500円を払って中へ入る。噂に聞いていた通り非常に閑散とした温泉施設で、いつ廃業してもおかしくなさそうなテンションなのだが一応「お得な回数券」も売られているし、すぐには商売は辞めなさそうな雰囲気。なお一泊2500円で素泊まりも可能らしい。度胸のある方は是非泊まって頂きたい。

受付の向かいに描かれた仏教的なレリーフはやはりここが宗教施設である事を物語っている。宗教法人越後の里親鸞聖人。この土地だけにしかないローカルな宗教団体なのか、信者数は何人居るのか気になったが、多分ここの運営者しか居ないように思う。

一階ロビーは結構な広さがあるにも関わらずまるで骨董品屋の店じまいかと思うかの如く大量の家財道具や調度品が所狭しと置かれたままになっている。受付のオバチャンに「正面の通路を突き当たりまで行った所が浴場です」と案内を受けるもこの異様な光景にしばし目が釘付けになった。

なぜか昔のVHSビデオテープがずらり。「ドラえもんのび太の海底鬼岩城」「それいけ!アンパンマン」「わんわん物語」「耳をすませば」殆どアニメ関係のビデオばかりだ。エロビデとか如何わしいものは一つもございません。

リサイクルショップの家具売場のようにも思える一画だが昔は多分もうちょっと本格的な温泉施設で今より客も多かったのかも知れない。しかしこの温泉施設が出来たのは親鸞聖人像よりも後の「平成11年」らしい。1999年…そんなに昔じゃないじゃん。

人の姿の消えた温泉施設の片隅に掲げられた巨大な絵画はなんだか薄気味悪いこの場所の空気をさらにどんよりとした陰鬱さを与えてくれる。夜な夜な化けて出てきそうな勢いだな。

受付から先に続く通路をオバチャンに言われた通りに突き当たりまで行く事にする。途中で左側から二階へ続く階段が現れる。どこかみすぼらしさを漂わせる建物の外観とは裏腹に中はかなり本格的な作りになっている。しかし二階部分、使われて無さそうですね。洗濯機や干されたタオルなんかが見える。

さらに通路の脇にも使われていない食器の数々や骨董品やらガラクタやら分からない家財道具がこれでもかと積まれているのである。売り物という訳でもないのに何故?

かつて宴会の席でも使われていたであろう和食器の数々は埃を被ったまま放置されていたのだった。引き取り手も居ないのだろうか、寂しい限り。

これだけ用済みの食器があるなら少しでも売れば経営の足しになるかも知れないのに…さっぱり訳が分からず温泉に入る前に頭がのぼせてきた。

「ようこそ西方の湯へ ごゆっくりおくつろぎください」と書かれた看板の辺りはカウンター席とキッチンが備え付けられていて、恐らくここもかつては居酒屋として営業していたようだ。従業員も多数抱えていたと思われるがどこに行ったのだろう。

風呂上がりにビールを一杯やりながら郷土料理をつまみに…なんて事も出来なさそうである。やるせない気持ちにさせてくれますね。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。

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