【那覇市】ここは中国か?!沖縄本島の玄関口に鎮座する「龍柱」を見物してきた

当方、久方ぶりに沖縄本島に足を運ぶ機会を得た。2013年以来のことなので、かれこれ6年ぶりに沖縄の土を踏んできたわけであるが、この間にも相変わらず基地移設問題はグダグダで、やれ普天間だ辺野古だジュゴンがどうだとか、本土の極左プロ市民も大勢押しかけては地元マスコミも含めてやりたい放題である。現知事の玉城デニー氏もやはり反対派なので、当分このあたりのゴタゴタは無くなりそうにない。

で、やってきたのは那覇市の若狭海浜公園近く。以前ここに訪れた時はホームレスがやたらと住んでいたのが気にかかったが、公園の並びにも怪しいホテル街なんかが連なっていて陰気臭い雰囲気で満ちていた場所だった。ところが今はこの場所が那覇空港に直結する海底トンネルを含めた全長3キロに及ぶ「那覇西道路」の終点として国道58号の一部に組み込まれ、沖縄本島の玄関口として機能しているのだ。しかも目の前には海外からの豪華客船なんかが停泊するクルーズターミナルまで併設されているような場所だ。

“沖縄は中国の属国です”とアピールせんばかりの珍名所「龍柱」

で、そんな場所に鎮座する一対の「龍柱」…翁長雄志前知事が那覇市長を務めていた2012年に那覇市と中国・福州市との友好都市締結30周年を記念する事業として、総工費3億3千万円超をかけて建てられたものである。これが若狭海浜公園を通る若狭中通りを挟む両側にドドーンとおっ立っているのだが、変わらず背後にそびえるのは怪しいホテル街というのがまた香ばしい。

2015年末に完成した直後には柱の台座に「おなが ばいこくどー」などとスプレーで落書きした男が逮捕されるなど、端から話題に事欠かない、この龍柱。当初は「シンガポールのマーライオンに匹敵する存在に」などと那覇市議会の場で意気込みを吐き出した翁長氏、その後は沖縄県知事になったが、不幸にも膵ガンを患い任期途中の2018年8月に死去することとなった。この龍柱はいわば翁長氏の置き土産となった格好である。

そもそも年がら年中観光客が殺到する那覇空港から車で那覇市内に出てくると真っ先にこれが見えるわけだ。わざわざ立ち寄って記念撮影する変人は居らずとも、側を走る観光バスの窓からの視認性は抜群である。建設当初から右寄りな方々からの批判が殺到、国の交付金まで受けているのに日本国民の税金を使って、よりにもよって中国の業者にその金を支払って制作を依頼した事などが非難されたいわくつきの物件だ。

しかも本来は総工費のうち8割にあたる約2億円超を国からの一括交付金で充当する予定だったものが工期が伸びたりして交付金の未執行分の繰り越しが行えなかった結果、市の単独予算で建設する羽目となり、那覇市民の多額の血税が注ぎ込まれる顛末となったものだから余計に格好悪い。

“四本爪の龍”は中国政府に「忖度」したのでしょうか

今にも「ニーハオ」と話しかけてきそうな龍柱の爪の部分をよーく見ると、四本爪になっている。これは普通の日本人の感覚ならなかなか気づく事がない部分だが、中華圏にとっては権力の象徴として描かれる「龍」の爪の数は重要な意味を成している。爪の数はそのまま身分の高さを示しているというのだ。

これが五本爪だと「皇帝」、四本爪であれば「貴族」、三本爪では「庶民」。ここの龍柱の龍が四本爪なのは中国政府に「忖度」した結果で、つまりこれを中国人観光客の目で見れば「沖縄は中国の属国です」と解釈される、ということらしい。皇帝の象徴である五本爪の龍を描くことは畏れ多く、それよりも身分が低い四本爪の龍は、格下の扱いになるというわけだ。

そして一対の龍柱が向いているのは若狭中通りに沿った北北西側で、すぐ向こうには東シナ海が広がり、その先に中国大陸があるわけだ。那覇市とつながりのある福州市は沖縄本島の真西にあるわけだが、それよりも中国の首都がある北京市に近い方角を向いているのが、より一層意味深である。

あとは一対の龍柱の足元に案内板が置かれている程度で、那覇市の中心部からも離れたこの公園が、今は亡き翁長氏の望み通り観光名所になるとは到底思えないわけだが、案の定グーグルマップで見られる龍柱の口コミ欄も惨憺たる状況になっている。

ちなみに若狭海浜公園からちょっと行った所には明の時代に中国大陸からの渡来人が住み着いたという「久米村」がある関係で、福州園という中国庭園だとか、孔子廟なんぞが建っていて、じわじわと中華色が強まっている。そして沖縄県の玉城デニー知事は中国政府に対して「一帯一路構想」に同調して、日本の出入り口として沖縄を活用する旨を提案したことが報じられている。今後も沖縄の“中国化”が捗りそうな気配だ。

県内経済を観光に依存している沖縄にとっては昔も今も変わらぬ「朝貢外交」で大国の機嫌を取らねばやっていけない事情は分からなくもないが、ここ最近の動きはどうも露骨過ぎて嫌らしさを感じる。今回の沖縄訪問でも主要な地域を見てきたが、どこもかしこも中国人観光客だらけでおったまげた。また機会があればそのへんの事情にも触れたい。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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