【松山市】夏目漱石の坊っちゃんにも書かれた遊里は幻へ…道後温泉「ネオン坂歓楽街」を歩く

道後温泉は日本最古の温泉地として、そして現在も四国有数の観光名所となっているが、その名所を裏で支えてきたのが遊郭の存在だ。観光客でごった返す道後温泉本館の建物を裏手に回ると鄙びた温泉ホテルばかりが立ち並ぶ路地があり、その奥へ入ると道後湯月町、通称「ネオン坂歓楽街」と呼ばれていたかつての歓楽街の跡を見る事が出来る。

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このネオン坂歓楽街が元の松ヶ枝町遊郭の跡で、つい最近まで坂の入口に「ネオン坂歓楽街」と書かれた立派なアーチもあったのだが現在は取り外されてしまっている。アーチが立っていた場所には、ネオン坂の突き当りにある宝厳寺のでかい石碑だけが残っている。

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兵どもが夢の跡…かつてのネオン坂歓楽街の名前が記されたアーチの残骸である脚だけが残された状態。夏目漱石「坊っちゃん」にも書かれた有名なネオン坂の、なんともまあ悲しい末路である。

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現在のネオン坂は人一人通りがかる事もなく寂れるに任せた状態だ。ちょっと前まではここに飲み屋街がズラーッと並んでいたそうだが、坂を登っていくにつれて空き地ばかりが目立ってくる。

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遠目で見るとガッカリ感が強いネオン坂だが、まだ結構遊郭時代の妓楼はそこそこ残っているのがせめてもの救いか。坂の下から改めてじっくり眺めていく事にしよう。

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坂の下側はまだまだこうした古臭いバーやスナックが店を構えているのが見られる。現役かどうかは未確認。どう転んでも前時代的過ぎる店構えに漂う哀愁。

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戦後は例に漏れず赤線地帯に移行していたのでその名残りと見られるスナック街が辛うじて建物を留めている程度だ。聞く所によると現在もこっそり「ちょんの間」として営業している店があるとかないとか。

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もはや廃墟同然となったネオン坂のバー。丸い穴が大量に開いた壁のデザインが赤線地帯のセンスがそのまんま。思わず穴の数を数えてしまった。ちょうど50個。

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二階部分の看板がすっぽり外れてしまったが妓楼を改築したスナック「やよい」の残骸。今では空き家っぽいですね。

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これも激しく元妓楼だが一階部分がまるごと改装されてスナック風の建物になっている。店の前に置かれた植木は枯れたままだし、ここももう営業してなさそう。

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店の壁には「女性募集」と大きく書かれたプレートが貼り付けられていた。何とも単刀直入過ぎるフレーズだ。

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ネオン坂を上まで登って行くと宝厳寺山門に近い一角にはこんな素晴らしい3階建ての妓楼が残っておりましたよ。寺の手前の急坂に面してそそり立つ妓楼はやけに存在感をアピールしている。

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この3階建て妓楼と一体型でくっついている非常にモダンなデザインのバー。アールが描かれたピンク色のくすんだモルタル壁に萌え。「姉妹」という名前のバーだったが看板が外れて無くなっていた。

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バー「姉妹」の玄関口。もう営業を辞めて相当期間が過ぎたようだ。あまつさえモルタル壁の一部は欠けてしまっている。

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「当店は客引行為をいたしません。どうぞ御遠慮なくおはいり下さい。 店主」とある。最後の食品衛生巡回指導済シールは「平成2年度」になっていた。20年以上前か…

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バー「姉妹」の隣は「温泉マッサージセンター」なる按摩屋の店舗跡だった。土地所有者と思しき自家用車が置かれているので完全に廃墟という訳ではないらしい。

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実は我々がここに訪問したのは2011年2月の事で、最近ネオン坂の現状確認に訪問された「遊郭部」さんによると3階建て妓楼と連なるこれらの建物は全て解体されてしまっていたらしい。全国どこでもそうだが遊郭跡の前途は厳しいものがありますなあ。

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ネオン坂の突き当りに建つ宝厳寺。夏目漱石は「坊っちゃん」の中で寺の山門の中に遊郭があるとは前代未聞の現象だ云々と散々書いてたそうだが、そもそもあの小説自体松山の街をボロクソにこき下ろしていた訳だ。田舎が酷いとネタにするのは明治時代も今もそんなに変わらんね。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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