【北陸の小京都】加賀百万石のイカニモ観光都市「金沢」を訪ね歩く(2011年)

「加賀百万石」「北陸の小京都」などと言うように金沢は日本有数の観光都市で、年がら年中大量の観光客がやってくるゆえ、とにかく人の目につく所は洗練されまくっているし、道を行き交うカップルには美男美女が多い。こんな田舎臭さのない地方都市も珍しい。

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金沢なんて京都と同じでスイーツ女子旅行のメッカでさぞかし甘ったるいだろうと勝手な偏見を抱いていた訳だが、今回は後悔のないように金沢の街の表裏清濁併せてどっぷり見物してきた。

むしろDEEP的な見所は金沢よりも離れた加賀温泉や東尋坊やらにあると思い込んでいたので、さほど期待はして居なかったが一応お決まりの金沢駅前に降り立つとのっけから巨大なガラス屋根の「もてなしドーム」が現れ、無駄な都会っぷりを見せつけてくれる。

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足元の碑にもてなしドームについての説明がある。「雨や雪の多い金沢を訪れた人々に、そっと傘を差し出す金沢人のやさしさ、もてなしの心を表現するものとして建設しました」
無駄にもてなし過ぎだろこれ(笑)
京都駅ビルとともに、古都に不釣合いなダメ建築だと地元民には陰口を叩かれているらしいが。

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確かに最初から雪が降りっぱなしだった冬の金沢。金沢駅から中心市街地は若干離れていて、徒歩で行くかバスに乗るかのいずれかとなる。歩いて10分少々で観光客の溢れる近江町市場の入口が見えてくる。

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何となく大通りに沿って歩くと簡単に辿りつけるがそれでは面白みに欠けるので脇道から住宅地へと入る。京都みたく古い街並みがありふれている。ただ雪の積もり方が全く違う。さすが日本海側。

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もし東京で見かけたら「これは凄い」と唸るレベルの古民家がゴロゴロ転がっている訳だが、普通の住宅地でこれだから地元民にとっては別にどうってこと無いのだろう。

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夜行高速バスで金沢に来た事もあって朝があまりに早く、商店街などもまだ店を開けていない。北陸新幹線が金沢まで伸びる2014年以降は交通事情もかなり変わる。東京から2時間半で来れるようになるのは大きい。はくたか号乗り継ぎは微妙に使い勝手が悪いので、今の所はどうしても高速バスが有力。

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容赦なく降る雪に早くも心が折れそうになった訳で、ひとまず目についたアーケード商店街に有難味を覚えてなだれ込む。っていうかここが近江町市場だった。

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金沢人の台所として有名過ぎるため観光地市場と化している近江町市場の中。さすがに早朝時間帯は開いている店も少なく、市場の関係者の方が多い。

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やっぱり北陸だけにカニが多いですね。どこの魚屋もカニだらけ。地元民の買い物よりも観光客が押し寄せて海鮮丼やら寿司を食ったりするような場所である。

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正直朝早くにやってきても大して見る所もない。旅程の段取りを確認しながらコーヒーでも啜ろうと思い手短に喫茶店を探して入ろうと考えたがそういう店ってあんまり無いみたいで、無駄にうろうろしてしまった。

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昼過ぎになると観光客がわっさわっさと市場の中をそぞろ歩きしだす。でもまあ、一向に触手が伸びませんねえ。観光地だからねえ。

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近江町市場を離れてもう少し行った所に香林坊という金沢一の繁華街があるので、そこまで歩く事にした。この付近の国道157号沿いは北陸最大のオフィス街で、結構な数の近代的ビルディングが立ち並んでいる。日本の有名企業や銀行のオフィスビルがずらーり。だって「百万石通り」の呼び名があるくらいだもん。

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もてなしドームの無駄な豪華さといい、道路に据え付けられた融雪装置といい、金沢に来てからインフラ整備の進んだ街並みを何度も見せ付けられる。加賀百万石の言葉通り観光都市としての地位と潤沢な財政力の証拠であろう。今まで地方都市と言えば空洞化する中心市街地にシャッター商店街といった偏見を持っていたのは否定しないが、そんなノリで金沢を訪れてみるとやたらオシャレぶっていて面食らってしまった。

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金沢一の繁華街「香林坊」界隈を歩く事にした。福井で有名なのは自殺の名所東尋坊だがここ金沢では香林坊である。福井の東尋坊は崖から突き落とされた悪僧だが金沢の香林坊は比叡山の僧で、還俗して金沢の町人となり目薬屋を開いて成功した向田香林坊に由来している。さすが北陸の勝ち組石川県である。昔話のエピソードまでカッコイイ。

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香林坊交差点の前には渋谷でもお馴染みのオシャレビル「109」の店舗がデデーンと建っていて早速オシャレタウンっぷりを発揮している。金沢にあるからてっきり金沢109と思い込んでいたら、香林坊の地名を取って「KOHRINBO109」になっている。地方進出している109の系列店では最も古く1985年開業以来の歴史がある。カッペの街・宇都宮の109が速攻で潰れたのとは大違いだ。

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香林坊には109だけじゃなく、やたら綺麗どころが密集していて田舎臭さを微塵も感じさせる事がない。金沢がいかにオシャレ需要が高いかという裏付けでもあるのか。しかしいくらオシャレぶってもこの雪の中では足元は長靴がデフォルトだぜ。

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109に向かい合う竪町商店街も都会的な雰囲気の場所でファッション系の店がやけに目立つ。

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香林坊は総じて若者向けの街に仕上がっている。ベタなDEEPゾーンは極力南側の片町から南側に押しやられていて、専ら綺麗どころに徹している印象だ。

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オシャレビルが固まる一方で年季の入った割烹料理屋なんぞもあって、香林坊界隈の守備範囲は殊の外広い。伊達に北陸最大の繁華街じゃないですよ。

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よく見ると109の真ん前にこんなベタなおでん居酒屋があったり、新旧入り交じったまま共存しているような感じもする。

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香林坊交差点の西側、木倉町通りに入る。ここから南側の片町にかけては大規模な飲食街が広がっていて店選びに難儀する。

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同じ場所で昼と夜が何度も入れ替わるが、再度夜の木倉町。大雪に見舞われながら晩飯を食べる所を探し始めていた。

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木倉町通りは見ての通りのドカ雪が積もり歩くのも大変な状況。たまたま行った日が10年ぶりのドカ雪で金沢市街で60センチも積もるという異常な天気だったのだ。

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そんな酷い天気のもと木倉町通りを抜けてたどり着いたのが地元金沢で長年営業している洋食の「グリルオーツカ」。

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金沢の中心市街地の中にあってそこそこ庶民的な洋食全般が食べられる店だ。有名だが決して華やかではない。

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大雪で往生してまで食べたかったのは、金沢名物の「ハントンライス」。ケチャップライスに薄焼き卵と白身魚フライを乗せてタルタルソースをぶっかけたという超テキトーな料理である。金沢カレーは全国進出していてゴーゴーな感じに食傷気味だがハントンライスは今のところ殆ど金沢でしか食えない。ガチなローカルフードである。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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