沖縄のアメリカ・嘉手納ロータリー周辺 (2)

面積の83%が米軍基地で占められ、残る17%に町民約14000人が寄り添う嘉手納町の中心市街地を歩く。
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戦後に米軍が整備した巨大ロータリーは再開発が行われ、今では真新しいビルが立ち並ぶ近代的な空間に生まれ変わっている。まあ何とも味気のない変貌っぷりだがこれも抗えない時代の流れである。


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かつての巨大ロータリーの内側はその形状をにわかに残しつつも中心には芝生のロータリー広場を設け、その周囲に再開発ビルや住宅が配置されている。
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それもコンクリート打ちっ放しの無骨な建物が並んでいるので面白味も感じられない。ロータリープラザ1号館の中には防衛省沖縄防衛局や入国管理局といったお堅い施設が入居している。
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嘉手納ロータリーの再開発は1996年橋本龍太郎政権時の梶山官房長官の私的諮問機関「沖縄米軍基地所在市町村に関する懇談会」(通称:島田懇談会)により沖縄の米軍基地を抱える市町村に対して行われた国家的ハコモノ事業の一つで、これまで計38事業に合計836億円の国費を投入されてきた。
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原発誘致にせよダムやら橋やら誰も通らない高速道路やら日本の地方行政は土建屋主導によるハコモノ利権の税金バラ撒きで黙らせるという共通のメソッドで続けられてきた。これも一つの例だ。沖縄もやっぱり日本なんですね。
でも再開発エリアを一歩外れると廃墟寸前の商店街が並んでいるだけ。理念なきハコモノ行政は住民を幸福にもしないし、萎んだ街を活性化する処方箋には成り得ない。
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綺麗サッパリまとまったロータリーの内側にはもう興味も持てないので、その外側にある古い市街地を見る事にする。再開発ビルの中にすっぽり収まって琉球銀行、沖縄銀行、海邦銀行の沖縄三大ローカル銀行の支店が隣り合っている。やはりここは街の中心地。
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ロータリーの外側、商店街が入居している再開発ビル「新町1号館」の向かいには古びた商店が立ち並んでいる。
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その先の路地を入り込むとちょっとした飲食街になっていた。ただ雰囲気は寂れたままである。
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その中には沖縄名物の山羊料理店も見かけられる。再開発で入居した防衛省沖縄防衛局や入国管理局の職員が、新たなお客になっている模様。
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さらに郵便局のある角を折れると結構アレな佇まいの呑み屋横丁が現れるのだ。半ば廃墟と見紛うようなテンションの低さである。莫大な費用を掛けて再開発された巨大ロータリーの真裏が、これ。
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嘉手納の「社交街」と言えばきっとこの辺を指すのだろう。北谷町やコザ辺りと比べても米軍基地の街と言いながら風景はおおよそアメリカンではない。
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やけにDIY感が漂う独創的なアプローチの酒場の玄関口。
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そして意味不明なネーミングセンスのスナック「お茶」。酒呑みな沖縄人にとってはアルコールもお茶みたいなもんかも知れんが。
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原色系に塗り固められたコンクリート壁がおおよそ本土のセンスとはかけ離れている。古びた酒場の看板を見るに、建物自体も相当古そうだ。
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今度は郵便局を挟んで反対側の路地に入るとやたら古びたスーパーマーケットの建物が目に入る。掠れて読めない看板だが「幸地スーパー」とある。ついでにホテルの看板まで。
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建物のボロさに反してその名は「日の出ホテル」…24時間営業らしい。玄関はスーパーの入口に隣接してあった。基地の街だけあって、隣接する米軍嘉手納飛行場も24時間営業なのでいつでも離着陸するヘリや戦闘機の爆音がお楽しみ頂けるようです。ミリタリーマニアにとってはお勧めかも。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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