そんな三条遊郭跡地にすんごいそそられる佇まいの路地裏横丁を発見。こういうアプローチを見つけると思わずアンテナがびんびん反応してしまうんですが…
「三条小路」と呼ばれるスナック街で、見ての通りスナック店舗のオンパレード。世代が変わっても街の役割はあんまり変わらない典型例だ。空知地方で指折りの盛り場、という事になる。
三条小路の中を覗くと、短いながらも密度の高い盛り場の路地が堪能できる。こりゃたまりませんなお父さん!んまあ、途中から味気もないコインパーキングが広がってるだけなので、昔はもっと沢山店があったと思われるのだが…
「スナックキャロル」のピンク色の透かしが入った看板から漏れる光が盛り場の路地を大人色に染めている。
二階部分が前に張り出した古い路地裏飲食街にはありがちな構造の建物もあり。それにしても天井低すぎて頭ぶつけませんかねこれ…
かなりオンボロ具合激しいようであるが、これでも現役だからまだ救いようがあるというもの。夕張なんかに行くと盛り場という盛り場はほぼ廃墟状態なので、それに比べれば気が休まる。
余談だが、当取材班より先に岩見沢を訪問されている「古今東西風俗散歩」さんのレポによると、この付近に大正3(1914)年創業の老舗割烹「酔月」があり、炭鉱関係者の接待の場として昭和8(1933)年から当時のままの建物で営業していたのだが、2011年に旧店舗を閉店、建物は解体され、現在は近隣で新店舗が営業している。
もう一つこの界隈には「祇園小路」という二階建ての飲食店街があったが、これはドカ雪で建物が壊れたせいで解体してしまったとの事で、現存していない模様だ。特に内陸部にある岩見沢は冬の積雪が半端無く、2メートル近くになる事もある豪雪地帯だ。古びて誰も面倒を見なくなった建物は年々壊れていく。
三条小路がある一本北側のブロックも同様に高密度でレトロな飲食店街がある。三階建ての雑居ビルも使われてるのは一階だけですかね。夕張みたいに人口減少しまくっている訳でもないが、こうも盛り場に人が居ないとみんなどこに居るのかと思うんですが、やっぱり郊外のイオンとかですかね。
店の名前はハイテンションでも店構えがすっかり廃テンションなので、掛けてあげられる言葉もございません。
Dr.スランプアラレちゃんのニコちゃん星人のオマージュか知りませんがコンセプト不明の顔だけ人間キャラクターが描かれたウォールアートもあったり、やっぱりこの飲み屋街の方々はセンスがどこか変です。
顔だけ人間マンの横を通り路地を抜けると唐突に現れる「第一中央市場」と書かれた建物。ここも見た目無人状態で、もはや市場として機能している様子はない。やはり普段の市民生活の場は郊外に移ってしまった模様だ。
特定のアレ系な店以外はさっぱりネオン看板も灯らず闇夜に包まれてゆく岩見沢三条遊郭跡の飲食店街…夕張ほどオワコンじゃあないとは思うのだが、これは寂しい…そろそろ日が暮れてきたと思ったら、本当に真っ暗で写真を撮るのも難しくなってきた。…という訳で、我々も岩見沢を離れそのまま札幌まで移動してこの日の旅程を終えた。