北海道空知地方の中心都市、岩見沢市にやってきた。札幌からも車や鉄道で1時間以内で来られる距離にあるが、札幌のベッドタウンという以上に、とりわけ高度経済成長期には炭鉱町として栄え、夕張や三笠・美唄など他の炭鉱町と港湾都市との中継地点にある事から交通の要衝として栄えたという歴史がある。
JR岩見沢駅にも程近い「4条通り商店街」から散策を始める事にする。かつてはこの岩見沢にも遊郭があり、それは現在もバリバリ現役の盛り場になっているという事なので、どんなものか様子が見たかったのだ。
すると商店街沿いにのっけから濃ゆそうなお店が現れましたよ。ナイトシアター、ニューリンカーンですって。かなり昭和な感じの佇まいでそそられます。
おまけに「飲んで歌って踊って大フィーバー!」と手描きの看板まで出されたらたまりませんよこれ…未だに1980年代くらいのノリなんでしょうか。ディスコでブイブイ、大フィーバー(笑)
札幌からも比較的近い岩見沢市だが、市の中心部は見るからに寂れていて、昭和63(1988)年に建てられた再開発ビル(ポルタ岩見沢)も核テナントだった西友が撤退するなどしてグダグダ状態らしい。
リニューアル後の「であえーる岩見沢」というネーミングも凄いが、出会えそうにないオーラ満載です。やっぱりみんな札幌に出てしまって道内でもストロー現象発生中って訳でしょうか。かわいい動物の仲間たちが描かれたイラストもどこかレトロでポポポポーンと物悲しさを誘う。「アホ」とか書かれてますが。
そんな「であえーる」の手前は軽食喫茶「ポロネーズ」です。語呂がぴったりで何かの呪文みたいに「であえーる・ポロネーズ」と続けて呼びたくなりますが、レトロな店の外観とは裏腹に、既に営業を辞めてしまった模様。お願い、辞めねーで…
どうにもオワコン感漂う街なのだが、ギラギラしている店は決まってこうしたお店なのである。もっとも、みんな札幌に客が流れていってしまう土地なので、この手の店もどんどん規模が縮小しているようだ。
これらの店はみんな「地雷」だとか地元民がケチョンケチョンに言われまくっているので、北の楽園ススキノまで出るお元気のない爺ちゃん御用達になっているのかも知れん。
それにしてもこの店の裏手にある手書き看板の場末感がたまらない…岩見沢、思っていた以上に手強い街だ…
「であえーる」の愛称がある第1ポルタビルの東隣に、マンションや居酒屋などが入居する同じ再開発ビルの「第3ポルタビル」が建っているが、その向かいにある飲食店街が、かつての「三条遊郭」のあった場所だという。
岩見沢の遊郭は当初駅北側の元町にあり、明治の中頃に当地に移転。大正14(1925)年に大火の影響で再び元町へ再移転するまで遊郭があったそうだ。そんな場所が現在はモロな感じのスナック街になってて雰囲気も宜しい。
こんなオツな「しえりい」さん見た事もない(笑)単なる個人的な感想でしかないが、岩見沢の盛り場は店のネーミングといい看板のセンスといい色々と独特で面白い。