防府市のレトロゾーン天神町銀座商店街と「新天地」飲食街

山口県防府市という街を訪れた。広島と下関のちょうど中間あたりにある街で山口県全体で見ても真ん中の方にある。県庁所在地の山口市はここから内陸側にありしょぼい事で有名だが瀬戸内海の周防灘に面した街は規模も大きく個性も強い。

防府に来たのは三田尻という漁港の遊郭跡を見る為だったのだが、防府市街地の方にも新天地という艶めかしい地名が残っているので、気になって見に来たのだ。防府駅東側に天神町銀座というアーケード商店街があって、その南側が新天地らしい。



天神町銀座商店街という博多と東京の繁華街がくっついたようなおめでたい名前の通りここは防府市における代表的な商店街のようだ。しかしどうしようもなく寂れている。
最近では「幸せます通り」なんて愛称をつけたらしく地元のブランド化戦略の一環でピンク色の幟が掛かっている。この幸せますという言葉は防府の方言で「幸いです、助かります、有難いです」などといった意味で使われるそうだ。

ここで買い物すると店主から「お買い上げ頂いて幸せます」と言われるらしいがそもそも買い物したい店があんまり見当たらない…とか言ってるうちに「ほうふ昭和館」なる施設を見つける。当地が舞台のアニメ映画「マイマイ新子と千年の魔法」に因んで昭和30年代のレトログッズを展示するテーマ館という事らしい。

ひたすら鄙びた街並みが続くアーケード商店街をまっすぐ北上すると防府天満宮があるが、そこまで行くのも寄り道が過ぎるので引き返す。

で、商店街の真向かいにある新天地へ足を踏み入れると…そこはやはり期待通りのスナック街が路地に連なっているのだ。

見事なレリーフ風の装飾が目を引くスナック店舗。でもこれ空き店舗っぽいな。

新天地という地名の通り、どこか怪しげな雰囲気が残る街並み。ちなみにここから山陽本線の線路を跨いだ車塚町も合わせてスナック街となっているがそれを合わせても規模はさほどでもない。

防府もそうだが山口県の瀬戸内側は比較的中規模の街が点々と続いている。この街がヘソだというのがあんまりないんですね。東に30キロ離れた徳山(周南市)の方が街としてはデカいが歓楽街はそれほどでもないし。

昼間はいたって静けさに包まれた新天地。飲食店ビルのゴミバケツが横一列に並んでいる。

怪しさ満点の電飾看板「Peachランドピン子」。なんちゅーネーミングやねん。ピン子ってやっぱり泉ピン子の事か?夜も見たかったけどこの日は宿を徳山に取っていたので、わざわざ来れませんでした。

サンパギータというのはフィリピンの国花ですね。表に貼られている写真を見れば分かるようにフィリピンパブである。実に分かりやすい。

しかし全体的に歓楽街を眺めてみても結構空き店舗や廃屋が目立つのだ。防府という街はマツダ防府工場はじめ大規模工場が沿岸にひしめく工業都市でもあるのだが、やはり他の工業都市と同じように衰退傾向にあるのだろうか。それより工場労働者達はどこで羽目外してんだろ。

さらに表通り沿いには「新天地飲食ビル」なるでかいテナントビルがそびえている。多分、防府新天地で代表的な歓楽ビルであったと思われるがテナント一覧の所にあるはずの店の看板群が取り払われている。それはそうとでかい牛さんのネオン看板が気になる。焼肉屋の跡?

だが牛さん看板の傍らにはこんな物騒な注意書きが…「15000ボルトの高圧電流が流れておりいたずらされると一命にかかわる大事故となる恐れがありますから」って随分具体的な脅し方やな…

恐らくビルの家主と思しき事務所もビル内にあるようだが無駄にひと文字ひと文字看板が巨大でイカツイですよ。銭形省資源なんとかって書かれているので何屋さんかと思ったら産廃処理会社さんらしいですね。

これまたでかいキリスト看板。罪のゆるしを得よと夜の街に掲示する意味は何なのだろう。ともかく今回の目的はこのスナック街ではなく、三田尻港にある。防府駅からは結構離れているので早速新天地を離れ現地へ移動する。

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