薬研堀通りの東側に入ると、さすが元東遊郭が存在しただけの土地柄だけあって今でも鄙びた感じながらも怪しげな佇まいを残す街並みがある。薬研堀のソープ街はもう少し北側なのだが、そこからやや南にずれた一画にちょっと気になる建物が…
この薬研堀には未だに営業中のストリップ劇場があった。ヌードの殿堂・広島第一劇場。古びた昭和丸出しセンスの看板がこれまた渋い。2011年に閉鎖・解体された福山第一劇場亡き今、広島県はもとより中国地方で唯一の劇場となった。
昭和50(1975)年にオープン、2006年に摘発を受けて一旦は営業を取りやめたがその後も復活、現在もお盛んにスケジュールをこなしている模様。中国地方における最後のエロの砦。
壁一面に横たわる女性のシルエットを象ったオブジェがインパクトあり。流川の歓楽街全体から見れば端っこの方にあって場末感鋭いが、まだまだストリップの灯りが消える事はない。
広島第一劇場の隣に並んだ平屋バラック風味な喫茶店もいいアクセントになっている。しかも隣がコインランドリー。この一帯ひっくるめて昭和ゾーンです。
それからやってきたのは薬研堀のソープ街に程近い路地、さすがに朝は物静かで人通りも少ない場所だ。
ソッチ系のお店も気になるのだが、随分くたびれた佇まいのスナックビルが建っている。しかもこの佇まいでビルの名前が「広島綜合娯楽センター」だなんて渋いったらありゃしない。
綜合娯楽センターの裏側に回ると別の飲食街ビルへ続く路地の入口がある。夥しいスナックの看板にそそられる。
そこにもファッションヘルスの店舗が一軒。全く抜け目がない。
路地の奥を見ると古びた建物に「つくね街」と書かれた看板が…見た目にはビルの壁が立ち塞がって行き止まりな感じがするのだが…それにしても、なぜ「つくね」なのか。ネギ間やボンジリとかじゃ駄目だったのか。
このまま何もせずに引き返すとアホみたいなので「つくね街」の何たるかをじーっくりと観察してみる。確かに正面は壁で行き止まりっぽいんですが…
横っちょから口を開けている別のビルから「通り抜けられます」の看板がさりげなく主張しているではないか。おお、現代に甦る赤線玉の井の世界よ。ぬけられます。
つくね街の本体はこの奥のビル内にあったらしい。まあなんとも分かりづらい場所ですこと。ここを通ってさっきの通りと行き来できるのであった。
かなり年季を帯びた佇まいの「大人のおもちゃ屋」もある薬研堀界隈。戦前戦後を問わずソッチ方面の需要と供給のバランスを担ってきた街ならではの歴史が根付いている。
さらに少し離れた流川通り沿いにもう一軒如何わしいお店が。こっちも負けず劣らず古臭さ全開で凄い。店の名前が「ラブちゃん」というのが笑える。飼い犬かよ。「ひやかしお断り」の看板がなお一層立ち入りづらい雰囲気を醸し出している。
ハートにずっきゅんアダルトショップ・ラブちゃん。深夜12時まで営業。