米軍基地の街・宜野湾市普天間を歩く (1)

宜野湾市の市域のど真ん中に鎮座する巨大な米軍海兵隊普天間飛行場の敷地を取り巻くようにドーナツ状に形成された宜野湾市街地の北東部に普天間飛行場の名前の元となった普天間地区がある。
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その普天間の街の中心的存在である「普天満宮(普天間神宮ともいう)」の前までやってきた。那覇市の波上宮と同様、琉球王国時代に作られた琉球八社の一つで、琉球古神道神を祀り、熊野権現を合祀している。


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普天間地区は普天満宮の門前町として古くから栄え、宜野湾市の中心市街地を形成している。波上宮と同じように赤い琉球瓦が映える境内の建物は沖縄らしさを出しつつも日本の神社そのままの姿である。
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普天満宮の拝殿裏側には全長280メートルの鍾乳洞「普天満宮洞穴」がある。普天満宮のそもそもの信仰の起点はその鍾乳洞の中にあり、本当は見たかったのだが受付を済ませる必要もあった上、朝早すぎたため受付が開いておらず諦めた。
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この普天満宮の敷地に隣接して北側にはキャンプフォスター(キャンプ瑞慶覧)の広大な敷地が普天間飛行場とは別に広がっている。普天間地区はこの2つの巨大基地に板挟みになりながら存在する街となっているのだ。
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普天満宮の写真屋のポスター。生後一ヶ月の赤ちゃんを連れた「初宮参り」はウチナー言葉でハチアッチー。よくある琉球民族衣装ではなく和服姿の女性がいる。やっぱり神社って日本固有の信仰ですね。
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普天満宮の正面にある普天間交差点から南側一帯が、所謂「社交街」とも呼ぶべきスナックが建ち並ぶ一画。特に正式名称はなく繁華街の中心が五叉路となっている事から「ゴシャロ」などと呼ばれているらしい。
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少し歩いて様子を見てみる限りはひたすら寂れた印象しかない訳だが、路地裏にもびっしりスナックの店舗が紛れている。
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沖縄らしく酒場の看板に「泡盛」とあるが店の名前は「親心」。隣は歌声スナック「いいとも」。こっちはテレビの見過ぎだ。沖縄の酒場ってネーミングセンスが独特。
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ただ米軍基地に板挟みにされた普天間の街だけの事はあって普通の沖縄酒場に混じってどう見ても米兵相手の盛り場としか思えない英字ネオンサインの看板が見られる。「CINDY」という名のバーの看板。
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店先の壁には米兵専門の不動産屋の広告が貼りつけられている。本島南部の那覇では見かけなかった光景だ。
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L字型の飲食店兼住居?の建物は古い琉球家屋。角の建物が取り壊されて駐車場になっていた。お世辞にも活気があるとは思えない街並み。
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さぞかし昔は盛っていたのだろうと想像力を巡らせる物証が飲食街に多数紛れている。煤けたコンクリート壁と時代遅れ気味なデザインは年月の重さと歴史を無言のうちに物語る。
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ここにゴミを不法投棄したら警察に通報しますと日本語と英語両方で書かれたビルの裏手の片隅。
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通称「ゴシャロ」の飲食街案内図があった。かなり古ぼけた案内看板には手書きで店の名前が刻まれた地図がある。かなりの店舗数だが経営をやめてしまた店も恐らく多い。
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普天間交差点南西一帯に広がる飲み屋街には「すずらん通り」「万年通り(信金通り)」という幅広めな車道が十字に走っている。その交差点あたりに出てくると割と新しいめのスナックビルが並ぶ。
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町名表示板。宜野湾市普天間二丁目…よその人間が「普天間」の地名を聞くとイコール米軍基地をどうしても思い浮かべてしまう。普天間イコール基地ではない。そこは人々が普通に生活を続けている街なのである。

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