北前船で栄えた日本海の港町…福井県坂井市三国町「三国港」の古い町並みを歩く

福井県

福井県と言えば東尋坊ばかりが有名だが、そのお膝元にあるのは福井を代表する港「三国港」を抱える三国町(坂井市)である。古くから北前船の寄港地として栄え、市街地には古い街並みがしっかり残っている。素通りするにはあまりに惜しい。

福井県 坂井市

えちぜん鉄道三国駅を降りて海へ向けて歩いて行くと三国町の中心市街地となる本町界隈に至る。少し住宅地に入ると明治・大正・昭和初期頃に建てられた店舗や長屋、銀行の建物などがずらりと並ぶ風景にありつくことが出来る。

とりわけ「かぐら建て」と呼ばれる町家の建築様式は三国町独特のもので他の街では見ることが出来ないらしい。

福井県 坂井市

路地に入ると「三國湊座」の建物がある。古い芝居小屋を改装したものだろうか地元の団体が街中観光拠点としてやっている店らしくピクルスの代わりにらっきょうが入った新名物の「三國バーガー」をやたらプッシュしている。

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江戸時代の文政6(1823)年に建てられた材木商新保屋岸名惣助の屋敷「旧岸名家住宅」は改装されて観光客向けに一般開放されている。九頭竜川上流の森林から沢山の材木を流しては北前船で全国に運んでいたとか。

ここにはやけに話好きな地元民のおじさんが受付に居るので色々話し込んでしまった。付近を探索する時には色々聞いてみるのも良さそうだ。

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朱塗りで目立つ「三国湊町屋館」。ここも観光向きな感じに改装されていて、飛騨高山の古い街並みを思い起こさせるノリだ。

福井県 坂井市

せっかく福井県まで足を伸ばしたのに東尋坊のイメージしかないというのもアレなので、港町として歴史の古い三国町の中心市街地は近年になって観光資源化が進んでいる。

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路地の先の鍵曲がりに建っているのは「大木道具店」。あんまり商売している感じではないが建物自体は昭和初期のものだ。

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「新古美術品」「骨董書画」…つまり骨董品屋さんである。2階部分の窓の装飾がなかなか凝ってて素晴らしい。

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さらにその先にはいきなり豪勢なレトロ洋風建築がガツーンと建っているのでこれは何だと反応せずにはいられない。三国町一の豪商「旧森田銀行本店」である。

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元々は北前船の廻船問屋だった森田家だが、明治期に入り鉄道など輸送手段が新たに出来た事で廻船業の衰退をいち早く察知し、さっさと銀行に鞍替えしたという経緯がある。この建物は大正9(1920)年に落成し、当時の最高技術をもって贅を尽くして建てられた。

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「株式会社森田銀行」の文字がそのまま残る玄関上の銘板。書かれている字が右から左という所が実に戦前の店構えらしい。

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屋上部分の装飾も無駄に豪華過ぎる。今どきの銀行じゃ真似できん建物だなこりゃ。ちなみにこの森田銀行本店の内部も無料で見学させてもらえる事が出来る。これは中に入るしかない。

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