北前船で栄えた日本海の港町…福井県坂井市三国町「三国港」の古い町並みを歩く

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福井県 坂井市

元廻船問屋で明治期以降銀行に鞍替えした豪商・旧森田銀行本店を見学。大正9(1920)年に落成し、築90年以上を迎えるレトロモダンな洋風建築はほぼ当時の姿のまま保存されている。月曜定休、9時から17時までで入場料は不要。三国町は太っ腹である。

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玄関を開けるとそこは確かに銀行の窓口といった感じのでかいL字型カウンターが据え付けられていて、その奥の部分が取り外されて見学者用の入口となっていた。

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2階建ての銀行は見事な吹き抜けになっていて天井にも豪勢な漆喰模様が施されているのが見える。V系コスプレイヤーが喜んでやってきそうな内装である。

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商談はこちらで…といわんばかりに置かれた椅子とテーブルも上品な感じである。今どきの銀行だったらサラ金の受付機が何食わぬ顔で置かれている訳だが同じ銀行の建物でも次元が違うよなあ。

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見学者はここから下足を脱いでスリッパに履き替えて館内を巡る事になる。勝手に動きまわっても良いみたいだが、せっかく常駐の職員さんがいるので、職員の案内を受けながら一周する方がよかろう。

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玄関右側の壁には古い金庫の扉がそのまんま残されている。こっち側の壁の向こうにはかつて金庫室があったそうだが、どうやら取り壊されてしまい、今では扉を開けても壁しかない。壁の向こうは福井銀行の駐車場とATMコーナーがある。

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さすが昔の金庫の事だけある。ダイヤルの目盛りが「イロハニホヘト…」になっていて笑ってしまった。

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さらに金庫のエンブレムまでしっかり残っていた。東京市馬喰町の竹内製造さんが作った金庫です。戦前の古い金庫には竹内製造製のものが多いらしい。日本初の国産金庫のパイオニアなんだって。

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職員さんの案内を受けながら、銀行の裏方の世界をとくと眺めていく事にする。奥の部屋が重役室。室内のインテリア一式が一層豪華になる。

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重役室の窓上にある木製の装飾、様々な花の模様がついているように見えるが、種類の違う材木を切り貼りして色の濃淡を表現しているらしい。手の込みようが一味違っている。

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壁掛けタイプの呼び鈴。アナログ感満載な感じである。今でも動くのだろうか。

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ついで2階に上がる階段。足元はもちろん手すりに至るまで全て木製。それ以前に築90年とは思えない程に綺麗なのが驚きである。

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2階には広い会議室があった。この時代は建築一つを取っても本気さの度合いが全く違うように感じられる。

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旧森田銀行は昭和初期に統合されて福井銀行三国支店としてこの店舗も長らく現役の銀行で使われていたが、老朽化により閉鎖。一時期は取り壊しが決まっていたが文化財としての価値を認められ1994年に三国町のものとなってから復元保存工事が行われ、1999年に一般公開が始まり今に至る。

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現在はこの広い吹き抜けを活かしてコンサートホールとして使ったり色々やってるらしい。小さな港町としか思っていなかった三国町だが、ひょんな場所に凄い建築物があるもんだと感心させられた。

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ちなみに天井の漆喰模様のゴージャスさは2階から見るとさらにダイナミックに体感出来る。銀行一つ作るのにこんな豪勢にやっちゃうなんて今の感覚じゃあり得ないですね。これでもかと作り手の魂を感じ取る事の出来る、貴重な建築物だ。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。

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