墨俣一夜城の城下町に残る色街…大垣市墨俣町「夜城園」の痕跡を求めて (全2ページ)

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東海地方には「◯◯園」という名称が付けられた元赤線地帯があちこちにあって、名古屋市内にある中村遊郭跡の「名楽園」とか尾頭橋の「八幡園」とか色々あるんですが、隣の岐阜県に渡ると「金津園」とかもあってこれは現役過ぎて生々しい場所ですが、今回我々がやってきたのは「夜城園」と呼ばれていた場所だ。夜城園…なんとも淫靡な響きがしなくもない。

大垣市 墨俣町

その夜城園とかいう色街が残っているというのが、豊臣秀吉の伝説で知られる「墨俣一夜城」がある墨俣町(すのまたちょう)である。地名を聞くだけではさっぱりどこか分からなそうなマイナーな場所だが、どうもそれは岐阜県大垣市の一部らしい。しかも地図を見たら大垣市の本体と接しておらず町自体が思いっきり飛び地になっているという変な場所です。平成の大合併で失敗して、旧養老郡上石津町と旧安八郡墨俣町だけが大垣市にくっついてこうなったようです。

大垣市 墨俣町

そんな墨俣町の中心市街地は、岐阜市と大垣市と羽島市の間の長良川に面した一帯にある。街のシンボルである墨俣一夜城は内部は歴史資料館になっていてその屋上には名古屋文化圏らしく金の鯱がデーンと乗っておるでよ。近くに鉄道駅がなく、電車旅の場合はかなり来づらい。せいぜいJR東海道線の穂積駅あたりが最寄りか。

大垣市 墨俣町

一夜城の伝説も本来は秀吉(木下藤吉郎)が城に見せかけた砦を作ったという言い伝えがあってこんな立派な天守閣ではなかったとかいうので「史実とはだいぶ違うぞ」などぶつぶつ文句を垂れているサイトがあったりするんですが別に当方歴史マニアでもないのでどうでもいいです。資料館の前に「出世ひょうたん」なるものが飾られている。

大垣市 墨俣町

秀吉出世ゆかりの地という事でこのような願掛けがあるんですが書かれている願い事が「消費税反対」とかあまりにケチ臭くてとても天下統一できそうな勢いはございません。

大垣市 墨俣町

墨俣一夜城から「太閤出世橋」が架かる犀川を挟んですぐ目の前にあるのがどうやら今回の目的地である「夜城園」らしいんですが、のっけから一夜城の真向かいにある古いビジネスホテルが解体中でした。

大垣市 墨俣町

さすがに現代の解体技術を持ってしても一夜でビルを解体するのは無理のようで、半ばまで重機で崩されたビジネスホテルの螺旋階段だけがぽつんとそびえていた。場所が場所だけに転業旅館の成れの果てか?とも思ったのだが…

大垣市 墨俣町

ともかくこの墨俣町、美濃路の宿場町という事もあって「ギャラリー&ショップ脇本陣」といった建物もある。宿場町というには飯盛女がいたような所から歴史が始まったのではないだろうか。戦前までは花街として芸者遊びで栄えた事もあったそうです。

大垣市 墨俣町

絶賛解体中のビジネスホテルから堤防を降りるとその下にずらりと古い街並みが姿を表す。もうこの辺から「夜城園」の跡だという。のっけから「割烹冨士の家」の看板が掲げられた料亭の店舗があったりする。

大垣市 墨俣町

で、この一角には未だに戦前の花街時代に料亭として建てられた凝った意匠の家屋が結構あちこちに残されていて目を引く。このお宅は既に商売をしている感じには見えない。別の方のレポートによればこの建物の玄関脇には小さく許可証や「十八歳未満の方の入店は固くお断りします」のプレートが張ってあったのだが、我々が来た時には外されていた。

大垣市 墨俣町

それにしてもこの玄関周りのしつらえは地味ながらも質感がたまらない。骨董品的価値を感じさせる。

大垣市 墨俣町

この道沿いに何軒もそれっぽい建物が見られる。戦前は花街で、戦後は赤線地帯「夜城園」として、岐阜の金津園なんかと同じように特殊飲食店が何軒も営業していたそうだ。

大垣市 墨俣町

まだ色街の趣きはよく残している感じはするのだが、空き地や廃墟がかなり多く、寂寥感が半端ない。それなりに住民もいるのだがお年寄りしか見かけないし…

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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