重化学工業都市・室蘭の旧市街地が寂れすぎて廃墟都市っぷりが半端ない件 (全3ページ)

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北海道室蘭市は道内西胆振地方に属する重化学工業都市。旧市街地を絵鞆半島の先端部に擁し、半島部に抱き込まれた内側の室蘭湾(白鳥湾)に室蘭港があり、新日鐵住金、日本製鋼所、JX日鉱日石エネルギーなどの鉄鋼、石油関連の大型工場地帯が形成されている。道内屈指の工業都市である。

室蘭市 工場夜景

そんな室蘭を訪れた我々取材班。札幌から道央自動車道経由で車で1時間半、函館からも2時間半の位置にあり、同じ工業都市である苫小牧市からは約70キロ離れている。絵鞆半島側から白鳥大橋の向こうを眺めると、日本屈指の工場夜景の聖地とも言われる室蘭名物の石油プラントの灯りを見る事ができよう。四日市や川崎に負けてません。

室蘭市 白鳥大橋

室蘭の旧市街地がある絵鞆半島の先端部と対岸とをショートカットする「白鳥大橋」が出来たのは1998年。現在の室蘭市街地は絵鞆半島の付け根にある東室蘭に移ってしまい、交通便の悪い旧市街地が取り残されたようになって寂れ方が凄まじいらしい。ともかく行ってみる事にした。

室蘭市 中央町

やってきたのは、かつての室蘭の中心市街地だった一帯。住所もしっかり「室蘭市中央町」である。どん詰まり状態のJR室蘭本線を終点まで行くと室蘭駅があり、駅を降りた真ん前の一帯が中央町だ。駅から100メートル程離れた室蘭中央通沿いには歩道にアーケードのついた商店街が形成されている。のっけから昭和な佇まいだが、ちらほらと鳩山由紀夫のポスターが貼ってあるのが気になる。ああ、室蘭ってこの人の選挙区でしたね。

室蘭市 中央町

しかしこの室蘭中央通ですらテンションが超ヤバイ事になっている。廃墟化した古びた商業ビルが解体もされず放置され続けている。この荒れっぷりは半端ありません。すっかり街の中心が変わり、誰も買い物に来なくなってしまった商店街の成れの果てがこれである。

室蘭市 中央町

アーケード商店街も見た目には8割方店が潰れてしまっていて気の毒な限りなのだが、100円ショップですら無くなってしまうという状態を見れば、昔からの住民は普段どこで買い物しているのか気になるレベルだ。飲食店が申し訳程度にぽつぽつあるくらいか。室蘭市の人口減少は甚だしく、最盛期の昭和44(1969)年に18万3600人いた人口は今では半分以下の9万1300人にまで減り続けている。

室蘭市 中央町

人口11万7千が9千人台にまで減った夕張市と比べればまだ室蘭はマシな方なのかも知れない。北海道は札幌の一人勝ちで他の都市の寂れ方がとにかくヤバイのである。で、大抵寂れきった街でも年金生活保護暮らしの老人が生きている限りはパチンコ屋なんぞも地味に賑わっていたりするものだが、ここ室蘭市中央町においてはパチンコ屋ですら死亡しているという状態。もう末期も末期、八方塞がりのルーピーみたいなもんである。

室蘭市 中央町

パチンコ屋前に中央町バス停があり、地元を離れる事もなくなったご老人方がバスを待つ。その近くには年季の入った喫茶店「すずや」がありました。地元の常連に支えられて細々と営業を続けていそうな純喫茶。すこぶる昭和である。

室蘭市 中央町

そんな人口半減都市室蘭の中心の中心とも言える商業施設…の残骸とみられる建物が、今でもこの中央通沿いにそびえている。古風なデザインが描かれた店のシャッターがここから見えませんかね。

室蘭市 中央町

その商業施設の残骸が「ムロランコア」である。中央通と裏にある浜町商店街との間にそびえるこの商業ビルは、その名の通りかつて室蘭市街地の中心核を成していた場所だった。シャッターに書かれたキャッチフレーズがもうヤバすぎて。だって「若さとよろこびの中心」ですよ?

室蘭市 中央町

このムロランコアは3階までの商業施設と4階から9階までの住居用マンションに別れており、市内でも高層建築にあたる建物だ。どうやら住居部分にはまだ人が住んでいるようだ。隣がガラ空きの更地になっているので建物の無機質な側面が綺麗に眺められる。室蘭の中心核を自称する建物が完全にスカスカになっている事がこの街の現状を物語っている。

室蘭市 中央町

浜町商店街側からムロランコアを見る。立派でレトロなネオン看板が取り付いているが「ラ」の部分が外れかかっていて見た目にも危うい。そもそもこの浜町商店街も室蘭最盛期時代の昭和44(1969)年に架けられた全蓋式アーケードが老朽化のために取り外され、商店街は青空の下に晒されている。札幌狸小路や小樽に次いで道内3つ目のアーケード商店街だったのだが。

室蘭市 中央町

「総合食品センターのコア」と書かれたシャッター。単にスーパーマーケットだったのだろうか。それにしてもここがいつ頃閉鎖されたのかよく分からない。今どき室蘭でショッピングモールと言ったら東室蘭にある「モルエ中島」か「弥生ショッピングセンター」らしい。ここは気軽にジジババが行ける距離ではない。もう今のムロランのコアには若さもよろこびもどこにも見当たらないようだ。

室蘭市 中央町

鉄鋼業の街として栄えた室蘭がこうして寂れまくっているのを見ると、北九州市や大阪市といった工業地帯の都市の寂れっぷりに共通するものを感じさせるが、いかんせん北海道という果ての土地だというのも街の寂れ方に拍車を掛けているのかも知れない。試される大地の現実がここにもある。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。
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