沖縄本島中部に位置する恩納村(おんなそん)は東西に細長く、一般的にはリゾートホテル密集地帯として知られている。国道58号沿いを走ってみると実際にかなりの数のリゾートホテルやビーチが乱立していて、いかにもなセレブが現実逃避に訪れる場所だという事が分かる。
で、そんな国道58号を名護方面に走っていくと、陰部ならぬ「伊武部(いんぶ)」という集落がある。恩納村の東端にあって沖縄自動車道の終点である許田インターから西に5キロくらいの場所だ。
この伊武部地区には伊武部ビーチに加え、希望ヶ丘といういかにもすぎる名前のリゾート住宅地などがある。例に漏れずここも本土からバカンス(笑)にやってくるセレブ向けのリゾート地な訳だが、恩納(おんな)村の伊武部(いんぶ)ビーチという事もあって我々のようなろくでもない大人を呼び寄せるものがあるのだ。
そのいんぶビーチが今どうなっているかと思って、たまたま立ち寄った訳だが、国道沿いに建つ巨大な看板はこれ以上無い程に塗装が剥げ落ちていて何だか気の毒な状態になっていた。この時点で嫌な予感がしていたが、いんぶビーチはとっくの昔に閉経…いや閉鎖されていたのだ。
いんぶビーチの入口部分もすっかりバリケードが築かれていて、以前は車で入れたのだろうが、それが不可能になっている。なんてこったい。伸び放題になった雑木林も酷い。何十年も手入れしていないアンダーヘアのようだ。
何かが書かれていたはずだが明らかに消されてしまった文字の跡が見える。以前はここに「観光名所 熱帯魚天国」と書かれていたはずだ。
反対側を見ると「観光名所」の文言だけが残っている。途中でアホらしくなって消すのが面倒になったとか。大看板にある通り国定公園でもあるらしいが随分ぞんざいな扱いだ。
本来ならこの先に「いんぶビーチ」と大きく書かれたゲートが待ち受けていてさぞかしインパクトがあったはずだが、見ての通り撤去されてしまいバリケードの先に進む事が出来ない。つまんね。
すっかりリゾートとしては干からびてしまった「いんぶビーチ」の現実を知ってしまい、もうどうしようもないので付近の様子でも見る事にした。
沖縄の大動脈、国道58号の事だけはあるので行き交う車の数はとても多い。最近じゃ美ら海水族館が本島北部に出来た影響で、この辺は単なる通過地点にしかなっていないようだ。
廃墟化した海の家的レストランの建物。おんな村いんぶという地名がイケなかったんすかねやっぱり。今じゃもっぱら美ら海水族館とか古宇利島とかスイーツ(笑)観光名所になっていて、ちょっと食傷気味。観光地は常に健全でなければならないんですか?
しかしそんな悲惨過ぎるいんぶビーチに新たに進出してきたのが幸福の科学だったりする件。なるほどそういう展開が待っていたのか。将来この土地もエルカンターレ・ビーチに変貌しているかも知れない。