沖縄本島最北端・国頭村 最果ての奥集落・民宿海山木

沖縄本島最北端、国頭村の奥集落。ここが最果ての地であることを実感させてくれるのは、沖縄本島を縦断する国道58号の起点ポストがある事。
31-810.jpg
集落の外れに掛かる奥橋のたもとに国道58号の起点を示すポストが誇らしげに置かれている。ここから終点の那覇市の明治橋までは125キロ。しかし実際には国道58号の区間は鹿児島市が本当の起点で、種子島と奄美大島を経て海上を走っているのだ。なのでこのポストは「沖縄県内における国道58号の起点」という事になる。


31-813.jpg
国道58号の全体像を示す、これまた誇らしげな石碑が起点ポストの側に置かれている。1972年の沖縄の本土復帰をきっかけに国道指定されたものである旨が書かれているのだ。
31-812.jpg
国道58号は沖縄の大動脈として馴染み深く、58番のおにぎりマークは沖縄県人のアイデンティティにもなってゴーパチだのゴッパチだの呼ばれている訳だが、鹿児島市からずずーっと延長されてきたものだと言う事はあまり有名ではない。
31-809.jpg
奥橋から望む本島東海岸。ここから鹿児島に向けて海の上を国道が走っているのか…この集落からは名護の街に出るよりは海を渡って鹿児島県側の与論島の方が直線的に近いというのも、意外な印象がする。
31-811.jpg
何故か傍らには意味深な一句。
「やんばるの奥や 国道の起点 山奥やあらぬ 海も前なち」
最後の前なちって何…ウチナー言葉独特の言い回しか?
31-808.jpg
国頭村奥の奥橋のたもとは国道58号の起点であると同時に、県道70号の起点でもあるのだ。東村の中心地平良集落まで約50キロ、名護の市街地も国道58号経由で約50キロ。どれだけ街から離れているかよく分かるというもの。道中は紛れもなく山原の原生林が立ちはだかる険しい道のり。
31-814.jpg
今回沖縄本島の外れの極限集落まで遠路はるばる訪れて、そのまま来た道を戻ってしまうのは味気なさ過ぎなので、奥集落にガッツリ一泊してみる予定で来た。奥橋たもとの民宿海山木(みやぎ)である。
31-815.jpg
しっかり予約して来た訳だが入口から建物が全然見えないので、やや困惑気味に車を敷地に突っ込むとその突き当たりが駐車場だった。
31-816.jpg
この民宿海山木、イカニモガイドブック的に言うなれば山原の奥地でネイチャーライフが満喫出来る隠れ家的お宿という事になるのだが、仙人のようないでたちのかなり個性的なご主人やそれに釣られてやってくる変な常連客が居る事で一部の旅行者の間ではカルト的な人気がある。
31-819.jpg
日本のものというよりはバリ島かどっかの安宿かと思わせるトロピカルな感じの各客室には鍵などという野暮なものも付いておらずプライバシーだの細かい事を言うようなデリケートな客には何の配慮もない。テレビなんてものもないし、携帯の電波もドコモ以外は全然怪しい。浴室もあるけど勝手にお湯張りしてくださいって感じで放任主義。
しかし田舎の親戚の家にでも泊まりに来るかのような感覚で終始寛げるので、ハマる客がいるのも頷ける。そして無駄に人懐っこい飼い猫もいる。
31-817.jpg
夕方と翌朝の食事は茅葺き屋根の何とも原始的な家屋の中で囲炉裏を囲んで宿泊者全員顔を合わせて食べる形式になっている。キャパシティの都合上、10人以上の客は取らない方針らしいので、ハイシーズン時は予約がいっぱいで宿泊出来ない事も多い。
31-820.jpg
夕食はバイキング形式で素朴な家庭料理がしこたま食えたり出来て非常に満足出来る。素材はそこらで採ってきた野菜や海産物がふんだんに使われている。
そして普段何やってるのか分からないような、何がしか宿の事情に詳しい常連客がいつもいる。我々も常連の老夫婦と話し込んでしまい、次々持参物のおつまみや泡盛を注ぎ込まれて(いわゆるカメーカメー攻撃)酷く泥酔する羽目になった。
31-818.jpg
沖縄本島最北端の真っ暗な星空の下、謎の常連客との会話を夜更け過ぎまで楽しんで眠るという、現実逃避の極致を味わう事の出来る貴重な宿。ここがある意味、奥集落の最大の名物かも知れない。これで一泊5000円って、安すぎませんか大将?

カベルナリア吉田の沖縄バカ一代
カベルナリア吉田
林檎プロモーション
売り上げランキング: 249928
沖縄の島を自転車でとことん走ってみたサー (朝日文庫)
カベルナリア吉田
朝日新聞出版
売り上げランキング: 80862
The following two tabs change content below.
新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
トップへ戻る