沖縄の離島「久米島」 (4) 奥武島とオーハ島

我々は沖縄本島の西100キロに浮かぶ離島・久米島からさらに島の東端に浮かぶ「オーハ島」を目指して進んでいた。英国人女性殺害事件の逃亡犯としてセンセーショナルに報道された「市橋くん」が潜伏生活を続けていた事でその名前が知られる事になった場所だ。
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久米島本島から奥武島までは、1983年に架けられた橋を使って車で渡る事が出来る。橋のたもとに「民宿あみもと」があり、オーハ島の様子を見たいが為にわざわざここに宿を取った。


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奥武島に入ると、バーデハウス久米島といういかにもなリゾート施設がデデーンと鎮座している。とは言え奥武島において目ぼしい施設はこのくらいしかない。
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そもそも奥武島(おうじま)という名前を持つ島は久米島だけに限らず沖縄各所にあり、本来は死者を弔う為の風葬の聖地で人が住んではならない島(=無人島)というのだ。今では宗教的意味合いも薄れて必ずしも無人島ではなくなっているが、そういう事情を鑑みると端から曰くつきな感じがする。
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そんな奥武島の数少ない見所が、バーデハウス久米島の近くの浜辺にある畳岩。民宿あみもとのおばちゃんにお勧めされて見に来た。柱状節理が亀の甲羅型の岩場を作り出しているという場所。ふーん、といった印象。
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市橋くんが潜伏生活を続けていたオーハ島はこの奥武島を東西に横断した先にひっそりと浮かんでいる。彼が何度も徒歩で行き来したであろう、何も無い道を辿っている。
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そしてようやく奥武島の東端まで辿り着いた。久米島本島に通じる橋からここまで、徒歩10分くらい掛かる。
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…だがその先、橋は全く掛かっていないのだ。死者を弔う場所だったはずの奥武島の、さらに奥に佇む島…オーハ島は「東奥武島(あがりおうのしま)」という名称もある。全くの無人島と言う訳でもなく、オーハ島の住民はこの場所から自力で船を漕いで行き来している。
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逃亡犯の市橋くんはこの場所から対岸まで泳いで渡っていたという。泳いで渡れるなら、ちょっと試してみようかなと馬鹿な考えが浮かんでここまで来たのだが…ついでにここはウミガメの産卵場所らしい。
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意外とこの付近はゴミの漂着が目立っていて何だか微妙な感じだ。逃亡犯まで流れ着いてくるような場所だからさもありなんである。そもそも沖縄自体が現実逃避に訪れる場所だからな。
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奥武島からオーハ島に向けて、送電用の電線が海中に突き刺さった電柱を通じて渡されている。この部分を市橋くんは「歩いて渡った」というのだ。信じられない。
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奥武島とオーハ島の直線距離は一番狭まった場所で200メートルもない。気合で泳げそうもない距離だが、潮の満ち引きの関係でそれが可能な時間帯が限られている。昔はオーハ島に住んでいた子供が学校に通学するためにこの区間を竹馬に乗って通っていたという話もある。竹馬通学なんてあんまり聞いた事がないな。
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特にこの日は「大潮の満潮」という条件が整っていた為に海の流れの速さも深さも危険水位を大幅に超えている。これで渡ろうとしたら自殺行為だ。そもそも近年になって船の通り道を作る為に底を削ったらしく、干潮時でも徒歩で渡る事は勧められていない。
ここは自分の命を守る為にも、大人しくチャーター船を借りるしかない。一旦撤退して、チャーター船の業者を探す事にした。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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