那覇の泊埠頭からわざわざフェリーに乗って久米島までやってきた我々取材班。普段日常的に接する事もない離島の生活や街並みを見聞するべく、久米島で最も市街化している仲泊付近を散歩する事にした。
兼城港から歩いて10分程離れたあたりが久米島の市街地。食料品や日用品を売る個人商店が一通り並んでいる。久米島には旧具志川村と旧仲里村の2つの市街地が島の東西に分かれているが、こっちの市街地は旧具志川村に所属する。
なにせやってきたのが春先のオフシーズンだったのでいかにも観光客らしい人々の姿もさっぱり居ないのだが、表通りに沿って土産物屋もちらほら並んでいる。
離島である久米島では貴重な街の本屋兼ゲーム屋。隔絶された離島の生活では暇潰しアイテムを調達する拠点となる。
さらに街の釣具屋。離島での生活では釣りを趣味にしないと辛いものがある。それはともかく久米島で逃亡生活を続けていた市橋くんも自分で魚やハブを取っ捕まえてサバイバル生活をしていたようだが…
年季入りまくりの地元密着型ホームセンター。離島だと侮っていたがなかなか立派な商店ばかりだ。日用品の調達およびサバイバル生活に役立つアイテムを揃える事が出来る。
この付近には旅館も複数あるが、おしなべて場末感が酷いのが共通している。ひとまず久米島で安上がりに泊まりたいならこのへんのボロい宿を選ぶのが無難だ。市橋くんは指名手配中だったから宿には泊まれなかったようだが。
久米島は対外的にはプロ野球東北楽天イーグルスのキャンプ地として毎年選手がやってくる。その関係でこんなのが店先に掛かっていたりするし。
ほんの僅かであるがナイトスポット的な酒場もちらほら見かけられる。昼間はいたって静かな街並みだが、夕方ともなると島中から飲兵衛が集まって、車道の両脇にびっしり縦列駐車するので、初めてレンタカーで通り掛かると何事かと面食らう事だろう。ミドリムシもとい駐車監視員のような野暮な連中も久米島には居ない。おそらく飲酒運転もお咎めなしか?
もっとも商店街らしい風情のあるのは表通りだけで、一歩裏手に入ると商店があるにはあるがみんな廃業してしまっていて、もぬけの殻と化している。
商店の廃墟ばかりで何ともいたたまれない気持ちになるが、時折見かける居酒屋やスナックなどは現役営業中。やる事がなければ酒を呑むしか楽しみが無くなる罠。
ボロいコンクリート建築も軒下あたりが粗大ゴミ捨て放題になっていて見た目にアレだが、カラオケスナックが入居しているらしい。廃墟なのかそうでないかは、よく観察しないと見分けが付かない。
夕方過ぎに訪れると久米島の島民がちらほら街に繰り出す姿が見られる。那覇市内にいる都会じみた住民とは全く異なり、沖縄の太陽をまんべんなく受けた東南アジア系の浅黒い肌を持つワイルド過ぎる島民の姿を見て、離島はやっぱり違うぜ!と実感する訳だ。
そんな久米島にやってきた最大の目的は、市橋くんの潜伏していたオーハ島を見る為だった。オーハ島は島の東端にあって、この辺りをうろついていても意味がないのだ。早速島の東側まで移動する。