リゾート観光地化する本島北部・本部半島と古宇利島

3ヶ月以上ダラダラと続けてきた日本DEEP案内沖縄特集も沖縄本島の南側から順々にレポートしてきて、そろそろ佳境に入ってきた。美ら海水族館などがある本部半島は観光地臭満載だしスルーしようかと思っていたが、結局通りがかる事になった。
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沖縄の海の透明度はよく知られている話だが、都市化が激しい那覇よりも恩納村以北の本島北部の方が全然綺麗なので、リゾート観光地としての開発はもっぱらこちらの方が盛んである。本土復帰を記念して開催された1975年の沖縄海洋博以後、本部半島一帯はじわじわリゾート開発が始まり、とどめに2002年の美ら海水族館の開業で、観光地化はさらに顕著なものとなった。


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本部町と瀬底島を結ぶ瀬底大橋の上に立つと、本土の人間からしたらひどく現実離れしたエメラルドグリーンの海が眼前に広がる。そりゃ紳助だって現実逃避したくなるような土地だ。こんな綺麗な海が見られる場所が日本国内にあったら、金さえあれば隠居したい気持ちになるのも理解出来なくともない。
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離島だった瀬底島に本部半島から繋がる瀬底大橋が1985年に開通。それ以後は「本島で最も美しい海が見られる場所」として観光ガイドブックで紹介されるやいなや、どさっと観光客が増えて、リゾートホテルの建設も始まった。瀬底ビーチの透明度は流石「美ら海」と言えよう。
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この瀬底ビーチの傍らにはリゾートホテルが建設途中で放棄された酷い廃墟が存在している。開発を進めていた親会社が倒産した結果だが、リゾート観光地化の闇の一面を見せつけられた感じだ。別の会社によって建設工事が再開される話もあるが、場合によっては中城高原ホテルの二の舞になってしまうかも。
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そしてもう一箇所、橋の開通によって急激に観光地化が進んでいる離島がある。今帰仁村に所属する古宇利島だ。長さ2キロの古宇利大橋が本島から奥武島、屋我地島を経て繋がっている。
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古宇利大橋は2005年に橋が開通したばかりで、全長1960メートルの「日本最長の無料で渡れる橋」でもある。るるぶとかまっぷるのようなイカニモ観光ガイドブック本に美ら海水族館と一緒に猛烈プッシュされているせいで「わ」ナンバー率の高さは異常。まあ、そんな事言ったら我々もそうなのだが。
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古宇利大橋を渡った先の一帯が観光客が押し寄せるイカニモビーチに姿を変えていた。古宇利大橋が通じるまでは今帰仁村の運天港から出ているフェリーでしか来れず、つい最近まではまさしく沖縄の原型が残っていた島だった。
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そもそも那覇から沖縄自動車道を使っても最低2時間は掛かるような場所で、それでも少ない日程を無理して本島北部まで足を伸ばして、美ら海水族館と古宇利島だけ見てさっさと帰る観光コースも定番化。とても印象的な沖縄旅行には思えないが。
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ビーチの駐車場周辺には観光客向けの遊覧船の看板が出ている。古宇利島には沖縄版アダムとイブ伝説といった甘ったるい神話があり、恋島とも呼ばれている。それをイカニモ観光ガイドブックが「恋のパワースポット」などと喧伝している為か、カップルリア充率も非常に高い。
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もう完全に観光地モードでございます。我々の出る幕ではございません。
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ビーチの向かいにはイカニモ観光地的な海の家も並び始めていて、どうも居心地が悪い。さっさと離れる事にしよう。
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「わ」ナンバー車でごった返す島の入口を離れてしばらく走ると簡易な掘っ立て小屋で商売している沖縄らしいテキトーな風情の「パーラーまるみ」がある。高台にあって座席からの眺めが良い。ここで休憩がてら夕食。
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古宇利島の名物はウニらしい。ウニと聞くと北海道とかあっち方面をイメージするが、どっこい沖縄にもウニの名産地があるもんだ。海ぶどうでかさ増しされた感じもあるウニ丼(1500円)に舌鼓。
あー、とろける。
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古宇利島の島内一周道路を時計回りに走ると、終端付近で古宇利大橋を俯瞰する事が出来る。人口350人の離島に総工費270億円を注ぎ込んで橋を掛ける国が日本である。戦後の本土復帰で土建王国日本に属する事がなければ、古宇利島はもっと違った運命を辿っていたかも知れない。

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島田紳助
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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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