絶海の孤島・南大東島唯一の集落「在所」で食べる幻の下痢魚インガンダルマの味 (全2ページ)

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那覇泊ふ頭からフェリーでまる一晩、沖縄本島から東へ360キロの絶海の孤島「南大東島」に渡った我々取材班だが、レポートの続きを書くのをすっかり忘れていた。島には一泊二日だけして同じフェリーで那覇にとんぼ帰りしただけの忙しい旅行だったが色々見られたものがあったのでまとめてレポートしておく。

南大東島 在所

島で唯一の集落、在所地区には南大東村役場をはじめ島の主要施設がひとかたまりになっている。在所地区周辺を歩き回ると見られるものを当ページにまとめておく事にする。いつか読者の皆様が長い人生のうちこの島に渡る機会があれば参考にしていただければ幸いだ。

南大東島 在所

役場の近く、Aコープ裏にあるふるさと文化センター敷地内、「シュガートレイン」の実物車両置き場へ。島の主幹産業であるサトウキビを運んでいた電車で、戦後の沖縄県でゆいレールが開業するまで電車が走っていた唯一の場所がここ南大東だった。1983年にトラック輸送に切り替えられてこれらの電車は廃止された。現在2両が保存展示されている。

南大東島 在所

特に気になったのが向かって左手にある雨宮製作所製の2号蒸気機関車という車種のもの。明治40(1907)年製というからまだ島の開拓が始まって間もない時期に持ち込まれたSL列車という事になる。我々鉄分欠乏気味だから、ふーん凄いなあ程度に見てるけど、見る人が見たら鼻血が止まらんのだろうな。

南大東島 在所

その背後にある貨車も年季の割には保存状態が比較的良好。サトウキビ輸送が主だが、この貨車に島民を載せて運んでいた事もあったそうな。

南大東島 シュガートレイン

一方で右手にある日本車輌製8号ディーゼル機関車は1975年製で、こっちはシュガートレイン廃止までの僅かな期間活躍していた最新車両という事になる。島のスケールに合わせるように、ナローゲージと呼ばれる線路幅762ミリの規格となっている。このあたり鉄分量がないと理解が進みません。今でも島中探せば線路跡が残っている。

南大東島 在所

シュガートレイン車両そばにあるふるさと文化センター。入場料200円。もちろん観光客など数える程しかおらず我々が来た時も受付のおじさんは暇そうでした。中に入ると島の生活用具や開拓の歴史を一通り知る事ができる。島に来たら有無を言わさずひとまず入れ。

南大東島 在所

大東諸島の歴史は明治33(1900)年、八丈島出身の実業家玉置半右衛門の主導で開拓が始まって以来現在まで僅か110年少ししか歴史を持っていない。当然島の文化も八丈島から来たものが多く、明らかに沖縄の文化圏ではない事がここの展示品の数々を見ても分かるだろう。

南大東島 在所

今に至るまで観光アピールも控えめで、那覇から空路があると言えおいそれと気軽に来れるような島ではない。釣りとかダイビングなどで長期滞在する客が来たり、某有名化粧品会社経営者が島に別荘地を持っていて自家用ジェット機で島にやってくるくらいだ。「どうだ、まいったか」と言われても、ねえ。

南大東島 在所

ふるさと文化センターの敷地内には南大東島出身のオペラ演出家粟国安彦や開拓以来玉置商会からその後の製糖会社に渡り独占され続けていた土地所有権を初めて南大東島民に認めた当時の琉球政府、第三代琉球列島高等弁務官キャラウェイ氏を称える銅像なんかもある。

南大東島 在所

集落に程近い場所にあるでかい煙突がそびえる製糖工場では南大東島の主要生産品であるサトウキビが加工されていて甘い香りをプンプン発し続けている。今でもこの島が観光などではなくサトウキビ中心の島である事がよく分かる光景だ。

南大東島 在所

そして製糖工場の敷地内にある石積みの重厚な倉庫の建物。島の開拓時代からあったと思しきこうした石積み建造物も、結構そのまま残されていたりするもんですな。

南大東島 在所

煙突にでかでかと書かれた「さとうきびは島を守り島は国土を守る」のスローガンが重々しく伝わってくる。この絶海の孤島に人が住まう事で国土が守られている訳で、人が住む為には産業が必要、その主幹産業としてサトウキビ生産があるのだが、南大東島のサトウキビ農家に関しては国の補助金云々の話が過去にテレ東の番組で貧民のやっかみ目線でかなり歪曲化されて紹介されてBPOの審議対象になる問題ごとも起きた事がある。

しかし逆に考えてこれだけの場所に住む為にそのぶん旨味がなければ、誰も絶海の孤島で生活なんかやってられないんじゃないか。大東諸島や宮古・八重山の島々は国土を守る最前線にあるのだ。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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