那覇市「ゼファー那覇タワー」 – 超一等地の国際通りにそびえる廃墟ランドマークビル

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那覇の国際通り周辺を歩いていると、以下のようなヘンチクリンなタワービルがいやがうえにも目に付く。そのビルの名は「ゼファー那覇タワー」。長らく那覇のランドマークだったそうだが、そもそもこのビル自体を訪れた事もなかったし、何が入っているのか今ひとつ分からなかった。実はここ、国際通り近くの超一等地であるはずの立地条件にも拘わらず、長年廃墟状態となっている気の毒な物件なのだ。

ゼファー那覇タワー

那覇市の国際通りと言えば今更説明の必要もないような定番観光地で、いかにもな佇まいのどうでもいい土産物屋ばかりが連なる原宿的香りのするストリートとなっている。しかし戦後から長らく国際通りは沖縄一の繁華街の代名詞で、「奇跡の一マイル」と呼ばれてきた頃からデパートや商業施設が密集する一等地なのであった。

ここに1973年、建築家金城信吉により高さ82メートル19階建て、当時の沖縄でもずば抜けて高層建築で(ビルの高さはごく最近まで県内ナンバーワンだった)展望台が取り付けられた奇抜なデザインの「那覇タワー」が誕生する。折しも沖縄が本土復帰し、海洋博開催を前に活気づいていた時代に建てられたものだ。

ゼファー那覇タワー

那覇タワーは元々経営していた不動産会社が倒産し、その後何度もコロコロと所有会社が変わった後に東京の不動産会社「ゼファー」の所有物件となったのだが、このゼファーという会社も2008年に倒産する。それ以来、タワーを含めて建物は全て閉鎖されて廃墟同然になった、という寸法だ。以前は「沖縄そば博物館」という施設が入っていたり、展望台部分も喫茶店が入居していたり、それなりに客が入っていたらしいのだが。

ゼファー那覇タワー

国際通りにある沖縄三越の角を入った所、三越の隣にゼファー那覇タワーがある。ビルの前までやってきた。入口はベニヤ板で完全に封鎖されていて確かに中に入れない。当初は国際通りの渋滞対策とモータリゼーションを見越して7階建ての大駐車場を完備していたもののアテが外れて、その後駐車場部分は「マキシー」という商業施設に変わっている。牧志だからマキシー。安直過ぎる。

ゼファー那覇タワー

ビルの壁には今は亡きゲームセンターの看板。最終的にはグダグダの雑居ビル状態になっていたようだが、地元のガキンチョも遊びに来なくなってしまったのだろうか。こうして完全に締め切られているので、タワーに登る事も出来ず、ビルの入口の前で呆然とするしかやる事がない。せめて一等地なんだからもう少し有効活用しろと思うんですが、そう簡単に上手く行く訳もない模様。

ゼファー那覇タワー

で、何かと気になってしょうがないタワー部分、中はどうなっているのかというと、3層構造で17階から19階になっていて、眺望の良いガラス張りの17階と19階が当初は展望レストランとして営業していたようである。ゼファー買収後は19階部分のみ展望台として営業していた。この19階は部屋全体が回転床になっており、その場に座りながら那覇市街地を360度見渡せる仕組みになっていたという。昔、デパートの屋上にそういうのありましたよね。回転展望レストラン。

国際通り 那覇オーパ

ゼファー那覇タワーがダメダメになってしまった原因にあるのは、国際通り自体の商業地としての地盤沈下であろう。国際通りが地元民のショッピングタウンとして機能していたのは既に昔の話で、今では新都心(おもろまち)の開発や郊外のイオンショッピングセンターの台頭で、地元民のお買い物先はすっかりそっちに流れてしまっている。今や国際通りを歩いているのは殆ど観光客だ。

国際通りには沖縄三越、那覇オーパといった大型商業施設がまだあるのだが、那覇オーパは営業不振のため2013年7月に閉店予定。跡地にはドンキホーテが進出するらしい。国際通りは今後ますます観光客向けのおちゃらけた通りになっていく訳ですね。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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