大都会名古屋目前の秘境駅・定光寺駅前の廃墟旅館「千歳楼」がホラー過ぎる 

愛知県

名古屋市街地の北東20キロ、ちょうどJR中央線で高蔵寺から多治見に至るまでの部分は、愛知・岐阜県境に跨ぐ広大な「玉野川渓谷」が広がっている。名古屋を代表する一級河川・庄内川の上流、春日井市民には玉野川とも呼ばれる事もあり、岐阜県に差し掛かると土岐川に名前が変わるこの一帯は、昔から名古屋の奥座敷として近場の観光名所の一つに数えられ、昔はそれなりに賑わいを見せていたそうだ。

愛知県 春日井市

JR定光寺駅という都心に近いにも関わらず凄まじく秘境感漂う駅がある愛岐道路の城嶺橋周辺にはその名残りを残す景勝地となっている。

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名古屋市街から車で30分、名古屋のチベット守山区志段味地区の目と鼻の先に広がる、城嶺橋が架かる玉野川渓谷。ゴツゴツした岩が散乱していておおよそ都会の喧騒とは無縁の場所だ。昭和12年に建設されたという橋は京都の三条大橋を模して作られたと言われているが全然似ていない。

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玉野川(庄内川)沿いの急斜面にへばりつくように建つJR定光寺駅と、その下に並ぶ家屋群。ビジュアル的には物凄い。

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城嶺橋から愛岐道路方向を振り返る。この正面の山道を登ると、尾張徳川家の菩提寺として知られる定光寺と、桜の名所でもある定光寺公園がある。

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城嶺橋から愛岐道路側を見ると右手方向にも平然と佇む廃屋がある。この一帯は名古屋にも近いはずなのに驚く程の廃墟銀座状態だ。昔はそれなりに観光名所として賑わっていたので、お茶屋なり土産物屋なりやっていたのかも知れないが。

この川を挟んで定光寺駅があるのが愛知県春日井市玉野町、向かいが愛知県瀬戸市定光寺町となる。愛岐道路を少し進むと岐阜県多治見市に入る。多治見に入ると、古虎渓ハウスというまた有名な廃墟スポット(これも廃旅館)もあって、何気にヤバイエリアだ。

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橋の上から時折JRの線路を見ると、渓谷を縫うように走るJR中央線の通勤列車が行き来するのが見える。多治見から瑞浪あたりまでの岐阜県東濃地方は一応名古屋のベッドタウンとなっているので、頻繁に電車が走っているのだ。この中央線の高蔵寺・多治見間、明治時代から多数の犠牲者を出しながら愛岐トンネルが建設された事もあって、心霊ネタには事欠かないミステリーゾーンになっている。関西の生駒トンネルみたいなものだ。

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城嶺橋の欄干に取り付けられた街灯はかつての景勝地の趣きを残すかのようなデザインを留めているが、蜘蛛の巣や虫の死骸だらけのまま放置されている。

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中には根元からポッキリ折られてしまった街灯もあって、かなり見た目に危うい。

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定光寺駅側にはかつて営業していたと思われる旅館の廃屋が生々しく残っている。鉄道網とモータリゼーションの発達、そんな時代の流れに取り残されたかのような玉野川渓谷の現在。

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そんな玉野川渓谷で最も目立つ大規模旅館「千歳楼」。昭和3(1928)年創業の老舗旅館だった。

定光寺を代表する存在で、この界隈が観光地として見向きもされなくなってからも、地元民の婚礼などに使われるなどして長らく営業を続けていたにも関わらず、愛知万博を目前とする2003年に突如として経営者が行方をくらまし、そのまま廃業。豪快な廃墟物件と化してしまっている。

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これだけ巨大で有名な旅館が廃墟となっているわけで、死体に群がる蠅のごとく地元DQNによる度重なる不法侵入や放火で見るも無残な状態となっている。特に2008年には放火の被害を蒙り、我々が訪問した時には旅館脇の建物が全焼して生々しい跡が残っているのが見られた。

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