戦後は赤線、第二の中洲と呼ばれた街「雑餉隈」(読めない)を歩く (全2ページ)

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今回は天神・西鉄福岡駅から西鉄電車に乗って向かう福岡ローカルタウン巡りである。以前から気になってしょうがなかった街があった。各駅停車で15分程で行ける「雑餉隈」(ざっしょのくま)だ。武田鉄矢の地元だとか、ソフトバンク創業の地だったとか、昔は赤線があったとか、第二の中洲だと呼ばれていたとか、その難読地名っぷりもあって、まあ色々と街の噂を耳にする。

福岡市 雑餉隈

西鉄電車は太宰府天満宮や柳川に向かう観光客を運び久留米や大牟田といった都市圏と福岡市とを繋いでいる九州屈指の大手私鉄である。西鉄バスの方も有名で、ローカルバス路線は福岡県全域、高速バスも九州全域をカバーしてますな。まあイメージするのは「ネオむぎ茶」なんですが…そうこうしているうちに着きましたよ、雑餉隈へ。

福岡市 雑餉隈

雑餉隈、ざっしょのくま。福岡に土地勘のない人間はまずこの地名が何と読むのかまず分からない。「隈」という字は福岡ではよく使われている地名だが「餉」がメシの意味で、朝餉とか夕餉という言葉がある。雑餉とは雑穀を指しているのだろうか。まあよく分からんが地名や駅前風景を見るからに雑多そうな街だ。

福岡市 雑餉隈

西鉄雑餉隈駅前は高架化もされておらず駅前から踏切が街を分断している。どんな街かと思っていたが随分ベタな下町だったようだ。一応雑餉隈あたりまでは福岡市内らしく、隣の春日原駅から先は市外だ。大野城市と春日市が隣接していて、こちらにも大野城市雑餉隈町という地名があるが、駅周辺は「福岡市博多区」。博多区って存外広いんだな。

福岡市 雑餉隈

駅前から南側に商店街が広がっているが、反対側の住宅街に入っていくと武田鉄矢の実家のたばこ屋「武田たばこ店」がある。3年B組金八先生でブレイクした時には観光客が観光バスで乗り付けて「聖地巡礼」しに来た時期もあったというたばこ屋。本人は超有名人になってしまったが実家の方は至って質素なものだ。

福岡市 雑餉隈

雑餉隈駅周辺には陸上自衛隊福岡駐屯地、航空自衛隊春日基地といった自衛隊施設が街のかなりの面積を割いて置かれている。いわば軍都であるとも言える土地柄だが、東側には宇美町、志免町といった旧炭鉱町もある。戦前は陸軍造兵廠まであったという土地。軍隊に炭坑夫といった血の気の多い男が歓楽街として集まり栄えていたというのが、かつての雑餉隈だったらしい。

福岡市 雑餉隈

雑餉隈駅からまっすぐ南に歩くとそのうち「銀天町商店街」のアーケードが現れる。本屋が潰れて激安居酒屋になっていたりババ服屋や八百屋が並んでいたりとかなりコアな下町っぷりが目立つ。そして気になる「微妙に寂れた感」。第二の中洲という言葉は昔の話とは言え本当だったのか疑わしく思えてくる。

福岡市 雑餉隈

「よかよか青果」だなんて博多弁丸出しな八百屋まであってウケるんですが結構この商店街もシャッターが閉まったままで「テナント募集」と書かれたプレートが貼りだされているのもよく見かける。地元の婆さんしか買い物しなさそうな店が中心で、あまつさえ高齢者向けコミュニティショップっぽいものまで出来ている。老人街ですね、はい。

福岡市 雑餉隈

何を伝えたいのかよく分からない謎めいた看板もあって、松崎さんの母の亡母とか占星術の年会費27300円とか何なんだろうと考えたけど結局意味が分からないまま素通りしてしまいました。

福岡市 雑餉隈

合鍵屋さんが自販機コーナーに変わってしまったような隙間的店舗の成れの果て。これも時代が時代だったらエロ本自販機コーナーになっていたのかも知れないが、雑餉隈が今後そういう発展ぶりを見せる事はないようだ。

福岡市 雑餉隈

雑餉隈だけあって、こちら銀天町商店街のマスコットキャラらしい小熊ちゃんが並んだイラストが。何匹束になって掛かっても隣の熊本県にいるあの黒熊野郎には太刀打ち出来なさそうである。こぐまスタンプを集めよう!だって。全体的に昔ながらの商店街って感じで、ありがちなチェーン店は皆無でした。

福岡市 雑餉隈

もうすっかり色気も糞も無くなった下町なのだが、ふと視線に飛び込んできたのがキャッチセールスにご用心と書かれた警察署・商店街連名の看板。やはりこの街にはピンクでダークな裏歴史が潜んでいたという事だろうか。

福岡市 雑餉隈

このアーケード街を抜けた先にはJR鹿児島本線の南福岡駅があり、両駅の間の繁華街の一部がいわゆるアレなスポットとして有名だったそうだ。関東で言えば西川口みたいなもんだったんでしょうか。しかし10年ほど前に警察の摘発を受けてそういった店はことごとく壊滅。見た目にはしょぼくれた下町以外の何者にも見えない。

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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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