「日本一のモグラ駅」こと土合駅の地下通路とホームの深さ度合いが半端なかった。土合だけに

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利根郡 みなかみ町

この地下通路だけで長さは338メートル、階段が462段、高低差は70メートルもある。高層団地の1階から20階まで全部階段で登るような感じですわね。勝どきとか豊洲辺りに億単位の金を出してドヤ顔で住んでるタワマン住民が大地震で停電してエレベーターが動かなくなった時はこれ以上の高低差を階段で行き来しなければ家に帰れない事を想像すると感覚的にはお分かり頂けるだろうか。さらに駅舎へ続く連絡通路を含めると143メートル、階段24段が追加される。なお、地上にある駅舎の標高は653.7メートル、対して地下ホームは583メートル。

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地下通路の片側に空けられているスペースは、将来的にエスカレーターを設置する事を想定して設けられたそうだが、駅の利用者数の少なさが理由で設置は見送られている。もっとも、谷川岳に登山に行く客がこの程度の階段でへばっていたら山に登れねぇだろ、という登山者目線での判断もあるそうだが。

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そんなこんなで片道確かに10分掛けて土合駅の下りホームまで降り立った。映画「クライマーズ・ハイ」の冒頭のシーンでこの地下ホームと長い階段がロケ地として現れ、堤真一が渋い顔をしながら階段を登っていく訳です。こんな奇特な地下空間はそりゃあ絵にもなる。あの映画を見てこの土合駅に行ってみようというきっかけになったのですが。

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この地下ホームは上越線複線化の時に作られた「新清水トンネル」(全長13.5キロ)の途中にあり、水上方面の隣駅である湯檜曽駅の下りホームも同じような「モグラ駅」になっている。次の土樽駅ってのはもう新潟県ですね。

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この新清水トンネルと上越線の上り方面を通る清水トンネル、関越自動車道の関越トンネル、上越新幹線の大清水トンネルと、新潟が生んだ偉大なる指導者田中角栄センセイの「日本列島改造論」の影響か知りませんが昭和の時代にトンネルを掘りまくったお陰で東京と新潟が近いのなんのって感じであります。

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で、珍しくタイミング良く一日5本しか来ない長岡方面行き下り電車が土合駅のホームに停車した。水上と長岡の間を往復するだけなので、電車は新潟支社の車両が使われており古臭さがたまらない。

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地底ホームの珍しさもあって鉄ヲタやら家族連れが多い割には見向きもされないが、一応このホームにも待合室やトイレといった設備が存在しているのだ。地上駅舎では「駅寝」する客が多いとの事だが、こんな地底のじめじめした所でも泊まる異常者がいたりするんでしょうかね…

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待合室に固定された座椅子は座れる程度に汚れは付いておらず、それでいて寝転がり防止としか思えない中途半端な肘掛けが椅子の横に取りついている。しかし背面の掲示板が苔むして緑色になっているのが湿気の多いトンネルならではだ。

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苔むした掲示板に記念カキコしていくDQNの落書きの跡も見られる。暇なのは分かるが気持ち悪い。あんまり無さそうだけど電車を乗り過ごして4時間待ちとかしなければならない状況になっても、自販機の一つもないので、食糧はちゃんと持参しましょう。

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そして地下ホームに佇む不気味さでは一際存在感が強い男女兼用の公衆トイレがまた陰鬱な空気を放っていて、とてもここで用を足そうとは思わない訳だが…頭上の谷川岳が死人を多く出している魔の山という事もあって一部では心霊スポット扱いされているのが土合駅である。

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公衆トイレはちゃんと小便器と大便器(和式)とに分かれていて、こんな地底駅ながらも水洗トイレとしてきちんと機能している。しかし苔むした壁と異様な湿度、長い年月を刻んだ様々な有機的な匂いが混ざり合い、何とも表現しがたいバッドスメル。胃袋の中身が逆流しそうだ。

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掃除用具入れも扉が壊れたままだが、ブラシやホースや雑巾が掛けられていて、時々利用者が掃除していくようだ。無人化して久しい駅なので、このへんの管理も完全に利用者の善意で支えられているようだ。汚したら、自分で洗え!トイレットペーパー?そんなもん自分で用意しろ!な世界です。下痢気味の身には辛いものがあります。

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それにしてもヤバイなこれと思ったのが、無人化されてから全く使われた形跡が無さそうな「運転事務室」である。内部が完全にカビ菌パラダイスになっており放置された棚や壁一面がびっしりカビでコーティングされていたのだ。この中に放り込まれたら死ねる自信がある。湿度が高いという事は、つまりこうなるという事だ。

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そして無邪気かつ馬鹿丸出しのDQNによる記念カキコも地下ホームのあちこちに残されている。日付が平成4(1992)年と20年前だったりしても消されないのは、秘境駅ならではであろう。

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こういうくだらない落書きをする人達も多いのが笑えますが器物損壊罪モノである。よいこの皆さんは真似をしないでね。

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結局車で来るという邪道な手段を使ったので、帰りも同じ486段の階段をとことこ登って帰ってきましたが、次に来る事があるのなら真冬のどうしようもない時期に電車でひょっこり来たい。日本一のモグラ駅は噂通り「日本一体力の要る駅」でした。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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