不朽の名作、聖地巡礼!夕張市「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」

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奇しくも「財政破綻」で全国的な注目を浴びる事になった夕張の街も、これまで一般的に知られていたのは映画「幸福の黄色いハンカチ」が存在したからである。北炭夕張炭鉱が閉山する昭和52(1977)年に公開された同映画において夕張市内のロケ地のいくつかがほぼ当時の面影を残し観光資源化している。

で、せっかくなので有名なロケ地「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」とやらを見に行こうという事になった。夕張の中心市街地から手前に3キロ程戻った夕張市日吉地区にある。メインストリートの道道夕張岩見沢線を走っていると嫌でも黄色い看板が目印に現れる。案内に従い石勝線の踏切を跨いだ先に向かう。

想い出ひろばはそこからすぐ左折すれば着くのだが、道なりに逆方向に進んでいくと日帰り温浴施設「ユーパロの湯」があった場所に通じている。ユーパロとはアイヌ語で「鉱泉の湧き出る所」を意味し、これが夕張市の市名の由来となっている。道すがら何もないが道路右手に旧北炭化成工業所の大煙突がデーンと建っていて非常に目立っている。

この「ユーパロの湯」も1996年開業と歴史が浅いものの残念ながら営業を休止してしまっている。当初は三セク運営だったが夕張市破綻後の2007年から指定管理者制度によって委託を受けた札幌市の会社(菱和興産・2011年破産)が運営を続けていたそうだが、突然閉鎖されてしまい運営会社の関係者とも連絡が付かない状態になってしまったらしい。北海道はどこもかしこも無茶苦茶である。

ユーパロの湯の大駐車場にこの大煙突がそびえ立っていた。これだけ間近に見ると迫力満点なのだが高さは30メートル程度。石炭からコークスを製造していた工場の建物敷地が全て解体されてはいるが、コークス炉の煙突だけが残っている。

大駐車場を挟んだ隣には老人保健施設の建物がある。超高齢化社会を迎える夕張ではもはやジジババ収容所を作るしかやる事がないらしい。老朽化した炭鉱住宅で一人で暮らしている老人も非常に多いのが夕張の特徴である。

で、再び来た道を戻って「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」へ向かう。ここは入場料500円が必要となる。以前は不評極まりない3150円の一日周遊券「ぐるっとパス」を買わなければ入場出来なかった。

想い出ひろばの中に入るとのっけから見た事のある風景が飛び込んでくる。映画のラストで高倉健が倍賞千恵子と再会する有名なシーンである。しかし炭鉱住宅自体は昔のままではなく同タイプの住宅を別の場所から移築したものらしい。付近の空き地を見ていると、映画のシーンと同じように昔は炭鉱住宅が並んでいたはずだ。

ロケセットを再現した炭鉱住宅の中はそっくりそのまま改築されて「幸福を希う(こいねがう)やかた」となっている。内部には映画に使われた小道具やら写真などが多数展示されているのだが…

表の開き戸を開けた瞬間に飛び込んでくるのが黄色い張り紙だらけの異様な室内の光景。天井から壁から黄色い紙が鈴なり状態。一般的な北海道旅行ではこの「想い出ひろば」と「幸福駅」に行くのが縁起担ぎの定番コースらしい。

北海道夕張市

夕張の財政破綻で微妙な雰囲気の漂う「石炭の歴史村」よりも、よく知られた映画のロケ地の方が観光資源になるようで、夥しい来場者の記念カキコが黄色い紙に記されている。正面には武田鉄矢が走らせていた品川ナンバーの赤いマツダファミリアの車両現物が置かれている。

一番奥のスペースに行くと高倉健と倍賞千恵子(正しくは島勇作と光枝夫婦)ペアのマネキンが置かれた再現ジオラマセットがある。どっちも似てなさ過ぎで笑えるのだが、どうせなら武田鉄矢と桃井かおりのマネキンも欲しかったな。

夥しい黄色い紙に書かれた観光客の記念カキコを眺めていたが、このクレーマーは一体何なんだろう。受付のオッサンは確かに無愛想だったが…いちいちつまらない事でむかっ腹を立てる旅行って楽しいもんでしょうかね。家でひきこもってればいいのに。

北海道夕張市

他には映画のロケ地マップや当時の写真なんかも事細かに展示されていて「幸福の黄色いハンカチ」ファンには垂涎の的であろう。まあ、ここまで来るのが大変なんですがね…

北海道夕張市

不朽の名作、不朽の名シーン。説明するまでもない映画ラストの一コマ。40年近くも前の映画なのに全く色褪せません。今でも発作的にDVDを借りて見たくなる程好きな映画だ…

ちなみに今でも倍賞千恵子が立っていた場所には黄色いハンカチが挙がっているが、かなりハンカチが薄汚れていてもはや黄色というよりも色褪せたクリーム色である。職員も手入れが面倒臭くて放置プレイかましているのかも知れんが、いくらなんでもこりゃダメだろ。

想い出ひろばの駐車場には夕張市と北海道空知地方の案内看板が建っていた。割と新しい案内看板には閉鎖された遊園地や博物館は全く記されていない。地図に出ている赤平や歌志内、三笠、芦別といった空知地方の自治体はその多くが旧炭鉱町で、夕張と同じような超絶過疎化状態に見舞われている。

高倉健 Blu-ray COLLECTION BOX

「幸福の黄色いハンカチ」主演だった俳優・高倉健氏は2014年11月10日に悪性リンパ腫のため逝去されたとの報道がありました。享年83歳。当編集部からもご冥福をお祈り致します。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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