幻の遊園地、自殺の名所、心霊スポット…小樽市郊外の断崖絶壁「オタモイ海岸」で遊ぼう!

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北海道の観光都市として名高い「小樽」。まあ有名なのは小樽運河や堺町通りまでのド定番スポットなんですがどうにも観光色全開過ぎて興ざめしてしまう訳である。札幌から中途半端に近い事もあって観光客は日帰りでやってくるだけであんまりお金落とさないみたいだし、人口減少も激しく商店街も寂れる一方だし、小樽という土地も色々事情は大変そうなんですが…

小樽市 オタモイ海岸

だったら同じ観光地でもダークサイドな観光地を目指していきましょう、と決めてやってきたのは小樽市の外れにある「オタモイ」という奇妙な地名の場所。まあ北海道だしアイヌ語なんですが、こうカタカナで書かれると変な感じがしますよね。ここに「幻の遊園地」などと言われるオタモイ遊園地があり、断崖絶壁のオタモイ海岸が広がり、しかも「自殺の名所」「心霊スポット」などと色々不穏な要素が付きまとっていて、どうも気になっていたのだ。

小樽市 オタモイ海岸

オタモイは小樽の市街地から国道5号(羊蹄国道)沿いに車で10分少々走った所にある。距離としてはせいぜい5キロくらいか。付近は新興住宅地のような佇まいで、ニュータウン的な一画もあれば団地が立ち並ぶ一画もある。「オタモイ海岸」と案内看板が出ているのに従ってやってくると、夕張あたりの炭鉱住宅のようなオワコン臭漂う団地の中に入っていた。

小樽市 オタモイ海岸

どうやらこの団地を超えた向こうがオタモイ海岸らしいのだが…こっちの団地の方も気になるのが我々取材班の性分。既に生活感を失った団地、よく見たら窓や玄関がベニヤ板で塞がれている。どうも殆どが空き家になってしまっているようだ。

小樽市 オタモイ海岸

人が住まなくなった代わりに熊の出没が増えているという「試される大地」北海道の厳しい自然環境。もし熊に出会ったら…なんて本土では山奥のド田舎以外の人間はあんまり考えない事だが、北海道のローカルテレビニュースでは「生活保護」と並んで「熊出没」の話題が多い。それだけ警戒が必要なのである。リメンバー三毛別羆事件。

小樽市 オタモイ

小樽市自体も最盛期は20万人近い人口がいたが現在は12万7千人にまで減少を続けている。札幌以外は容赦なく寂れているのが今の北海道である。つまり札幌への一極集中傾向が強いって事か。北のウォール街なんかもあった北海道屈指の商業都市だったのに没落ぶりが気の毒で…

小樽市 オタモイ海岸

ここいらの地名も「小樽市オタモイ一丁目」になってますよ。アイヌ語が訳されずにそのまま地名に使われている例。北海道では別に珍しくもない。ちなみに「オタモイ」はアイヌ語で「砂の入り江」という意味らしい。

小樽市 オタモイ海岸

既に手前の団地だけでも廃墟探索モードになってしまって路線が逸脱気味なのでそろそろオタモイ海岸とやらを目指す事にします。寂れきった街並みがブルーな気分を盛り上げてくれます。さあ、幻の遊園地を見に行こうぜ!

小樽市 オタモイ

団地の先、つづら折りになった急な下り坂を降りきった所でだだっ広く何もない空き地に辿り着く。とりあえず人も車もここまでしか来られず行き止まりとなる。さすがに自殺の名所とか心霊スポットとか不穏な話があるような場所だ。誰も居ないし、昼間でもなんか気持ちが悪い。地元のヤンキーの溜まり場にもなっているみたいで、バーベキューの跡のようなゴミが散乱していたり、色々とアレな感じだ。

小樽市 オタモイ海岸

ゴミが散乱する一帯だが、割と真新しく綺麗な案内看板が置かれており、そこにかつてのオタモイ遊園地の事が書かれている。夢の里オタモイ遊園地。聞くだけで無駄にウキウキしてしまいそうだが、その命は儚く短いものだった。小樽で割烹「蛇の目寿司」を経営していた主人・加藤秋太郎が「小樽に新名所を」という事で一念発起、私財を投じた末に昭和11(1936)年に遊園地が完成したがその後の戦時体制で行楽客が途絶え閉鎖を余儀なくされる。つまり遊園地が元気に存在していたのはほんの5年やそこらという事になる。

小樽市 オタモイ海岸

案内看板には観光地として栄えていた当時のオタモイ海岸やパンフレットなどの写真が掲載されている。雰囲気的には江ノ島とか日南海岸みたいな感じでしょうか。断崖絶壁にそびえる「龍宮閣」…生で見たかったですね。当時は1日数千人が訪れた道内屈指の行楽地だったとか。今から見るととても信じられない。なお、ネット上でオタモイ遊園地当時の画像が転がっているので気になる方は適当にググって下さい。

小樽市 オタモイ海岸

ここが確かに「オタモイ海岸」と呼ばれる場所だ。今ここで見る事ができるのはフェンスに遮られた断崖絶壁の絶景である。残念ながらここから先は立入禁止となっている。「頻繁に落石や土砂崩れが発生し、非常に危険」なためらしい。それにしてもこの秘境感…小樽の街からそんなに離れてませんぜ。これはとんだ裏名所だ!

小樽市 オタモイ

どうでもいいけど公共の看板にこんな落書きをする地元DQNの程度が知れてやばいっすね。ヤンキーの溜まり場になってるのはよく分かったのだがますますダークサイドな雰囲気が強まってきましたよ。

小樽市 オタモイ海岸

現在のオタモイ海岸はフェンスの手前から眺めるくらいの事しかできないが、それでもこの絶景は凄まじい。陸からではこの方向からしか見る事ができないが、夏場に小樽港や祝津から出ている遊覧船で海の上からオタモイ海岸を眺める事も可能なようだ。そういえばJR北海道の不祥事が報道された2011年、自殺したJR北海道社長(当時)の遺体がこのオタモイ海岸の沖で発見されたという話を聞いた。さすが、自殺の名所と言うだけの事はある。

小樽市 オタモイ海岸

急峻な断崖絶壁の上に辛うじて残る「オタモイ唐門」と思しき建物。ちょっと前まではあのへんまで歩いて行けたらしいんですがね。あの先に大型旅館「龍宮閣」があったというのだ。崖っぷちに足場を築きつつ建築資材は全て海上から運搬、難工事の末に完成した龍宮閣は「清水寺を超える迫力」だと道民自慢の名所として知られるようになったそうだ。戦時中に営業を中断していたオタモイ遊園地は戦後の昭和27(1952)年に再開を予定していたが、漏電による火災で全焼、断崖絶壁の上では消火活動も不可能で、龍宮閣は焼けるに任せるような最期だったという。

小樽市 オタモイ

今では崖崩れが激しく、もはや自力で龍宮閣跡地まで近づく事もできない。手前のオタモイ地蔵尊までは、地元の人に連絡を入れればフェンスの扉を開けてもらって立ち入る事ができるようだが、これ以上見れそうなものもないし帰るか…

小樽市 オタモイ

あと、手前のだだっ広い空き地に「白蛇弁天堂」「食堂弁天閣」、演芸場、相撲場などの建物が建っていたらしい。龍宮閣の火災で営業再開を断念し、これらの建物も遊園地の閉鎖とともに解体されたり崖崩れで崩落するなどして消えていったそうである。個人の私財を投げ打って作られた「夢の里」は束の間のものでしかなかったという事か。何とも悲しい気持ちにさせてくれる場所だ。もはやヤンキーの溜まり場以上の何でもないんでしょうかね。

<参考記事>
消えた楽園 オタモイ遊園地
秘境・オタモイ海岸


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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