え!?「県民の日に学校が休み」って全国共通じゃなかったの?いいえ、関東付近の一都五県だけです。

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埼玉県民の日

11月14日、我々は埼玉県庁にやってきていた。この日は現在の埼玉県が成立した明治4(1871)年11月14日(旧暦)を記念し「埼玉県民の日」として県内の公立学校は休校となり、県内各所ではド平日にも関わらず子供が街で遊ぶ姿が見られる日でもある。浦和にある埼玉県庁でも「県庁オープンデー」と称して、ご当地グルメ屋台やらご当地キャラショーなんかイベントが目白押しで、まあなんともゆるすぎる光景が見られた訳でありますけども…

しかし、埼玉のように「県民の日は学校がお休みになります」という地域は全国47都道府県から見ると、実は稀なケースだったのだ。

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「県民の日に学校休み」が全国共通ではなかった事実

県民の日は、各県成立の日を記念してそれぞれ制定されているものだが、全ての県が必ずしも県民の日を制定している訳ではない。

県民の日」が制定されているのは秋田、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、富山、福井、山梨、長野、静岡、三重、和歌山、鳥取、岡山、愛媛、大分、沖縄、以上21都県。他の26道府県は、特に制定されていない。

そのうち「県民の日は公立学校が休校」となるのは以下の一都五県だけになる。

・千葉県民の日(6月15日)

・東京都民の日(10月1日)

・群馬県民の日(10月28日)

・茨城県民の日(11月13日)

・埼玉県民の日(11月14日)

・山梨県民の日(11月20日)

「県民の日に学校休み」が関東近県に偏っているという謎

都道府県レベルでは以上の通りだが、首都圏一都三県で唯一県民の日を制定していない神奈川県は、なんででしょうね。しかしその神奈川県内でも横浜市の「開港記念日」(6月2日)や川崎市の「川崎市民の日」(7月1日)、それに静岡県の一部「富士山の日」(2月23日)など、都道府県レベルではなく市町村レベルで一部の学校が休校になるケースもある。この状況を踏まえて日本地図に色分けしてみるとこのようになる。

県民の日

(※クリックすると拡大)

これを一目見てハッキリしているのが「県民の日は学校が休み」の県が関東近県にひたすら固まっている事だ。こうして考えると関東圏に無縁の生活をしている人にとっては、県民の日は学校が休みになるという、ごく当たり前の習慣自体知らずに生きている事になる。特に関西人や九州人あたりは往々にして「素で知らない」場合も珍しくないので、衝撃を受ける事だろう。しかしなぜこれだけ関東偏重になってしまったのか、気になりますよねえ。「県民の日」が存在する県がいつ頃制定したのか、公立学校が休校日になる一都五県のみでまとめるとこうなる。

東京都民の日(10月1日)―昭和27(1952)年制定

茨城県民の日(11月13日)―昭和43(1968)年制定

埼玉県民の日(11月14日)―昭和46(1971)年制定

千葉県民の日(6月15日)―昭和59(1984)年制定

群馬県民の日(10月28日)―昭和60(1985)年制定

山梨県民の日(11月20日)―昭和61(1986)年制定

この中では東京都の昭和27年制定が一番早く、山梨県の昭和61年制定というのが一番遅い訳だが、いずれも戦後になってからの事なんですね。関東偏重になってしまっているのは、平均通勤時間が長い首都圏のサラリーマン世帯への家族サービスを慮っての事か休日制定による景気浮揚策なのかよくわからない(群馬、茨城、山梨は一部東京通勤圏あり)が、いずれの各県も毎年県民の日にはもっともらしく郷土愛を育む目的のイベントが県内各地で漏れ無く開催されている訳だ。

なお、千葉県にある一部の公立学校で2学期制を導入している所では、県民の日を登校日にしている学校も出始めているようだ。県民の日の公立学校の休校は必ずしも一枚岩という訳ではないようだ。また沖縄県の場合は県民の日(5月15日)ではなく慰霊の日(6月23日)が公立学校の休校日になっている。

埼玉県民の日

郷土愛ワーストワン返上に燃える埼玉県の必死ぶりをご覧ください

「郷土愛を育てる」ことにとりわけ敏感なのが、郷土愛ワーストワンの不名誉記録で有名な埼玉県だったりするのだ。戦後にベッドタウン移民が急増して人口が激増した埼玉県民、仕事やプライベートで出かけるのはいつも東京。埼玉の自宅には寝に帰るだけで、自分が住んでいる街以外に同じ鉄道沿線にどんな街があるのか、ましてや他の鉄道沿線の街の事などこれっぽっちも興味がないのが普通。埼玉県のマスコットキャラクター「コバトン」のモデルがシラコバトという鳩だという事も知らないだろうし、シラコバトの実物を見た事がある埼玉県民は約720万の人口のうち果たしてどれだけいるのだろうか。

近頃全国的にくどい程にPRしまくっているご当地グルメやご当地キャラ(ゆるキャラとも)を埼玉県内ではあちこちの自治体で乱造しまくって必死で地元をアピールしまくっている。11月14日、埼玉県民の日に埼玉県庁で行われたオープンデーでは「ゆる玉応援団」の着ぐるみ集団や「埼玉B級ご当地グルメ」の屋台も現れて地元民の姿で賑わっていた。

埼玉県民の日

特に埼玉県が奇特なのが、私鉄各社で11月14日のみ販売される「埼玉県民の日フリー乗車券」の存在だ。これは西武、東武、埼玉高速鉄道、秩父鉄道、埼玉新都市交通ニューシャトル、つくばエクスプレスの6社それぞれで販売されていて、西武と東武の場合は埼玉県内の全駅が、他は全線全駅が乗り降り自由となるというもの。これを使って県内各所を見て回って埼玉を満喫してくれ、という事らしいが、そもそもこのような記念乗車券を私鉄6社丸め込んでわざわざ販売しているのは埼玉くらいで、しかもかれこれ30年以上は続けているらしい。隣の群馬や茨城もちょろっとやってるみたいなんですが全国的にはレアだと思います。

浦安鼠園

しかし皮肉な事に、そんな埼玉県民が11月14日という特別な日に最も大挙して押し寄せるのは

「千葉県浦安市にある東京ディズニーリゾート」でした。

ほんと、郷土愛皆無ですよね埼玉県民…




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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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