あまりにボロボロな展示が悲壮感漂わせる本気の落人村!湯西川温泉「平家狩人村」

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日光市 湯西川温泉

再現集落の突き当たりに神社が3つ並べられ、落人の末裔達の信心深さがしっかり再現されている訳である。大山祇神というのはつまりは山の神様でございますね、はい。神社の左側の通路に木挽小屋といったものが並んでいるが、その先のミニ動物園も含めて手前からロープが張られていて立ち入り禁止になっている。

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さらに七番館「村長の家」にお邪魔する。このみすぼらしさ全開の落人村の再現集落の中では最も「健康で文化的な最低限度の生活」が感じられる空間だ。ちゃんと畳敷きだし甲冑や着物も置いてありますよ。

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で、村長さんご一家にも挨拶しておきましょう。村長とは言えどもやはり着ているものは質素で、貧しい村人のそれである。「母さんが夜なべをして手袋あんでくれた」的なメロディが似合う生活空間です。そこには華やかさの欠片もなく、冬は雪に閉ざされ極寒の地となる湯西川で日々を生きる為に精一杯だったのだろう。

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他にも貯蔵庫とか馬小屋とか蚕小屋とか生活に必要な物資が小屋毎に保管されていたようで苦労の痕が伺える展示となっております。ここまで見ると先に見た「平家の里」の家なんか貴族階級か何かだと勘違いする程立派だったよな…

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鳥獣資料館と肩を並べて大きな建物がこちら「集古館」。湯西川に代々住んでいた村人達の家財道具やら武器やら何やらが一斉に保管されている建物となる。比較的整然とした印象を受けるが、埃を被ったり蜘蛛の巣が掛かったままとなっていて、虫の羽音がうるさい。秘境での骨董品の保管も楽ではありませんね。

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ここにも苦労を偲ばせる女性のマネキンが。顔面割れてますよ…

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江戸末期から明治頃に使われていたという雛壇、人形はどこかに行ってしまっているが、古い書物が裸で置かれたままになっている。貴重な郷土資料だったりしないのだろうか。かなり昔から放置プレイ状態が常態化しているらしくこの辺はどうかと思うがそもそもこんな僻地では施設を維持するだけでも大変なのかも知れません。

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相当な年代物のヤマハのオルガン。詳しくは分からないが型から推測するに昭和初期くらいのものだろうと考えられる。

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十二番館「山椒魚・薬草加工小屋」。湯西川が取れる山椒魚や蛇や薬草などが酒に漬けられて保管されているがこれも放置プレイが激しすぎてとても呑めそうな代物には見えない。山椒魚は精が付くそうで湯西川の土産物屋にも燻製が10匹1500円とかで売られてますよ。

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そして十三番館は落人にもマタギにも関係しなさそうな骨董品即売コーナーなんぞもあったりして木彫りの裸婦像やらワニの置物やら埃を被った五月人形とかが乱雑に置かれているだけとなっておりました。誰も買い手がつかなそうですよね…

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十五番館には最初の「鳥獣資料館」に保管し切れなかったのだろうと思われる野生動物の剥製がオンパレード状態で放置されている。実はこれらも売り物なんだそうだが、頭上に吊るされた鷹の剥製なんかはボロボロに朽ちていて気の毒な不死系モンスターと化していた。

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あとここで見逃してはならないのが「夫婦木観音」である。湯西川で取れた珍木奇木を集めた神社で、見るからにご立派なちんまんなのだが表の窓口にも「関東唯一の子孫繁栄」と記されていて、平家狩人村の閑散ぶりとは真逆の有り難い神様がおられるそうだが、床が大きくひんまがっていて中に入るのも憚られる程の酷い状態だ。

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有り難いちんまん様も出番を無くしてしまった感があって、非常に泣けます。ここは人里離れた秘境湯西川。せいぜい観光客は手前の「平家の里」止まりでここまで来る客も少ない。正直いつ消えても全くおかしくない施設だ。

日光市 湯西川温泉

向かいの小さな祠にもちんまん様が鎮座しているので地味に見逃せません。秘境のB級スポット「平家狩人村」にもう少し人が訪れて生き長らえてくれる事をささやかに願いつつその場を後にした。川治温泉まで来れば車であと30分ちょいで行けるしそんなに遠くないから行きましょうよ湯西川。

平家狩人(またぎ)村

営業時間 (夏季)08:00~16:30 (冬季)08:30~16:00 不定休
客が少ない日は早く締める事もあるらしいので不安なら電話問い合わせ推奨(0288-98-0315)
栃木県日光市湯西川1658

栃木県日光市湯西川1658



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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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