財政再建団体の厳しい現実!そして無残な廃墟遊園地…夕張市「石炭の歴史村」 

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「炭鉱から観光へ」をキーワードに石炭産業の失われた山奥の街に巨大テーマパークをぶっ建てた夕張市。1980年オープンの「石炭の歴史村」は主要施設である石炭博物館だけでなく「アドベンチャーファミリー」なる遊園地まで作り上げていた。この遊園地は夕張市が財政再建団体に転落した2006年に閉鎖、その後廃墟化してしまいことごとく放置プレイをかまされている。潰れる前に行きたかったが無理だったので、せめて廃墟だけでも見ておきたいと思い、「石炭博物館」から少し上流側にある、かつての遊園地の玄関先までやってきた。

遊園地の駐車場だった場所に車を止めて目の前の骨組みだけになったアーチを潜った先にある階段を降りる。手前には「パスポート売場」と書かれた案内看板がある。あらかたジェットコースターなどのアトラクションは解体された後だったが、まだ大部分の施設がそのまま放置されているのだ。

階段の下に入場ゲートが見えている。もはや誰も訪れる事も無くなった遊園地。これほど侘しい廃墟はない。夕張市が破綻を迎え、その後の指定管理者制度での民間委託化で「石炭の歴史村」の殆どの事業を受託した加森観光グループも、この遊園地だけは維持費が掛かり過ぎるという事で早々に再建を諦めたそうだ。

乗り物回数券とパスポートの料金案内。乗り放題でも大人1800円なので浦安の出銭ランドあたりと比べてもそんなに高くはないが、施設自体は結構あれこれと充実していたようだ。人の多い札幌にあればそれなりに流行っていただろうが、夕張の山奥にあって、しかも1年のうち11月から3月までがごっそり冬季閉鎖になってしまうのだから儲かる訳もない。

遊園地の園内は特にガード柵などが置かれている事もなく、すんなり出入り出来る状態になっていた。もうどうにでもなーれ状態である。他に使い道もない「負の遺産」。

園内に向かう通路の階段はステップの煉瓦ブロックが脆く崩壊しまくっていて見た目にどえらい事になっている。5年も放置するとこんなに荒れ果ててしまうものだろうか。酷いなこりゃ。

その気になれば遊園地の奥まで歩き回れるのだろうが、さすがにアレなのでこのへんで引き返す事にした。近くの草むらがガサガサ揺れて怖かったし、熊に襲われたくないし。

園内は周囲よりも低い盆地に広がっているので車道の橋の上から遊園地が一望出来る。5年前まではここにジェットコースターやら観覧車やらの鉄筋が大量にあったはずだが、全て取り外されてしまった。

足元に目をやるとそこにはでかいSL車両が…「SL館」はこの遊園地の中に置かれていたのだ。かつて石炭と市民を運び続けていた夕張鉄道や炭鉱会社の所有していた蒸気機関車が展示されている重要な施設だが、事実上廃墟同然で放置されているのだ。いやはや勿体無い。

雪が積もると蒸気機関車にダメージとなるので毎年冬場になると「雪下ろしツアー」を開催しボランティアを募集して難を逃れているというが、これも急場凌ぎでしかなくいつまで続けられるのか分からない。

向かって反対側を見ると遠目に旧夕張炭鉱の竪坑櫓が見えるが、下を見ると遊園地の残骸が続いている。アトラクションの一つだった軽便鉄道の駅舎らしき残骸も見られる。

遊園地の上を跨いでいた「福住橋」の欄干には夕張メロンの絵柄が刻み込まれていた。そういえばここからさらに登った所にも「ゆうばりめろん城」という施設があったのを思い出した。

参考記事

夕張市破産宣告 不肖宮嶋茂樹氏のサイト。夕張市破綻の2006年に訪問した時の記録。遊園地閉鎖直前の写真多数。


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新日本DEEP案内およびDEEP案内シリーズ管理人兼編集長。2007年「大阪DEEP案内」開設、2008年「東京DEEP案内」開設、2009年「日本DEEP案内」開設、2010年「世界DEEP案内」開設、2013年「新日本DEEP案内」開設。2017年6月15日に単行本「『東京DEEP案内』が選ぶ 首都圏住みたくない街」(駒草出版)を全国発売。首都圏を中心に飛ぶような売り上げを記録し増刷決定。
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